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「カフェロンディーノ」が閉店 地域に愛された53年

社会

掲載号:2020年12月18日号

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「片付けもありまだ実感がない」と店主の沖喜八重さん
「片付けもありまだ実感がない」と店主の沖喜八重さん

 鎌倉駅西口そばの「カフェロンディーノ」が11月30日、53年の歴史に幕を下ろした。開店以来、訪れる人に美味しいコーヒーと食事をリーズナブルな価格で提供し続けてきた同店。地域住民を中心に多くの常連客に愛された。

 ロンディーノは1967年、現在の店主、沖喜八重さん(48)の父、保治さん(77)が義理の両親が営む理容室を「間借り」するかたちで開店した。当初はカウンター7席だけ。数年後、理容室の閉店をきっかけに現在のかたちになった。

 人気は「開店からずっとこだわってきた」というサイフォンで淹れたコーヒー。トーストやスパゲッティなどの食事類は650〜800円という手頃さで、350円分のドリンクまで付いた。

 一番人気の「スパゲッティ」はマッシュルームをミートソースやケチャップで炒めたシンプルなもの。名物の自家製プリンも「グラニュー糖と卵と牛乳だけで作った本当にシンプルなプリンで、どうしてこんなに人気なのか分からなかった」と沖喜さんは笑う。

 出勤前に必ず立ち寄ってコーヒーを飲むサラリーマン、ランチで訪れる市役所職員、病院帰りのお年寄りなど、多くが常連客。「いつも同じ時間に来て同じものを頼むお客様も多かった。注文を聞かずにコーヒーをお出しする人もいた」

 一方でそうした常連客ともほとんど会話をしなかったという。「お客様は『自分だけの時間』を過ごしにお店に来てくれている。それを邪魔したくなかった」

人手不足で決意

 今年に入り、緊急事態宣言中は6週間の休業を余儀なくされた。営業再開後は席数を減らしたものの、客足はすぐに戻り「大きな影響はなかった」という。

 閉店の最大の理由は「人手不足」。「狭いカウンターのなかで効率的に作業して、お客様を待たせることなくコーヒーとお料理を出せるようになるには、それなりの経験と技術が必要。そうしたスタッフは多くなく、ここ数年は常にギリギリの状態だった。味やサービスが落ちてから閉めるぐらいなら今かな、と思った」と沖喜さん。自身も7時からの営業に合わせて毎日3時半に起きて仕込みをする、という日々が続いていた。

 去り際も「らしさ」を貫いた。閉店を告知したのは最後の営業日となった11月30日。店内のカウンター下にひっそりと張り紙を出し、自身のフェイスブックに書き込みをしただけだった。

 それでも当日は常連客がひっきりなしに訪れ、電話も鳴り続けた。「涙を流して惜しんでくれる人もいて、本当に愛されていたんだな、と改めて実感しました」と沖喜さん。「コーヒーの淹れ方は体に染みついている。いつかまた、どこかでうちの味を提供出来たら。でもまずはゆっくり休みたい」

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