鎌倉版 掲載号:2021年1月29日号 エリアトップへ

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「健康の最前線」口腔から全身を元気に 歯科医師が語る「感染予防と健康長寿」

掲載号:2021年1月29日号

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 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続くなか、本紙では「歯科の立場から見た感染予防」をテーマに、神奈川歯科大学副学長で口腔環境の専門家である槻木恵一教授と、鎌倉市歯科医師会の田中直人会長との対談を企画した。二人は口腔内の健康が全身の健康にもつながり、新型コロナをはじめとする感染症対策にも有効と考えられること、近年進む「医科・歯科連携」や、コロナ禍のなか歯科医院で行われている感染予防のための取り組みなどについて語り合った。

コロナ予防にも期待の抗体IgA

田中 今日は貴重な機会をいただきありがとうございます。まずは先生のご研究について教えていただけますか。

槻木 口腔内には様々な抗菌物質があるのですが、我々のグループではそのなかの一つである「IgA」について10年ほど前から研究してきました。IgAは特に口腔内の感染予防に重要な役割を果たしている抗体でして、IgAが多い方はインフルエンザや風邪にかかりにくいなど、全身的な症状に対しても予防的役割を果たしていることが分かってきました。

田中 IgAはどのような仕組みで感染症を予防するのでしょうか。

槻木 抗体というのは、ウイルスなどの外敵が体内に入るのを阻止するいわば「警察官」です。IgAが一番働く場所は鼻や呼吸器、口腔内といった粘膜の表面でして、粘膜から体内に入ろうとするウイルスなどをブロックして、侵入を防いでいます。

田中 IgAが多い人はインフルエンザにかかりにくいというお話でしたが、新型コロナウイルスの感染予防にも有効なのでしょうか。

槻木 可能性は大いにあると考えて、いま研究を進めています。大学附属病院の先生たちの唾液を採取して、そのなかに新型コロナウイルスに反応しやすいIgAを持っている人がどのくらいいるのかを調べていますが、約半数の方に確認できました。それが本当に感染防止につながる効果があるのか、実験で確かめているところです。

田中 それは期待が持てますね。ではIgAを増やすためにはどのようなことをすればよいのでしょうか。

槻木 口腔内のIgAを増やす研究を進めるうちに、発酵食品や食物繊維といった腸管免疫を高める食べ物を食べて腸管を刺激することで、唾液中のIgAも増えるということが分かってきました。これを「腸・唾液腺相関」と呼んでいます。腸を刺激すると唾液の免疫も活性化する、というと不思議な感じがしますけれども、身体の粘膜免疫というシステムのなかでは深くつながっているんですね。

歯周病と生活習慣病に強い関連

田中 全身の健康には口腔内の健康が不可欠で、口腔が健康のキーになる「臓器」だという考えはようやく広がってきています。最近では歯周病の人は糖尿病や心臓病、がんなどのリスクが高いということが分かってきました。また、外科手術の際に口腔の状態が悪い人はいい状態の人に比べて回復が悪く、入院が長くなるというデータも明らかになってきました。そのため当会にも、地域の総合病院さんから「ぜひ口腔内の勉強を一緒にしたい」という申し出が増えています。

槻木 「医科・歯科連携」という言葉が出てきていますけれど、これから重要な考えになると思います。身体と口の両方が機能するように、その入り口をきれいにしましょう、ということですね。先ほどIgAが「身体の警察官」だといいましたが、口の中がきれいであればウイルスのような外敵から守るために、余裕をもって働けるんですが、口の中が汚いと雑菌とかに反応してしまうのでそっちに対応してしまう。ですから唾液の成分をより効果的に作用させるためには、口のなかをきれいにしておくということは大切です。

「歯科医院が国民の健康守る」

槻木 対談を通じて、口の中の状態がいいと全身の病気にもなりにくいということをお伝えしてきたわけですが、いま現場の歯科医院さんが取り組んでいることを教えてください。

田中 歯医者さんにはどうしても「怖い」というイメージがあると思いますが、私は患者さんに「できれば美容院に行く感覚で、最低でも年2回は来てほしい」と伝えています。先ほど歯周病が様々な生活習慣病と関連があるとお話ししましたが、歯周病の原因である歯石をとることは個人では難しいですから。プラークコントロールとも言いますが、歯石をとるだけでなく普段の歯の磨き方もお教えしています。また口のなかというのは何を飲み、食べたのか、歯磨きはしているかといった生活習慣の反映ですから、食生活の改善などの栄養指導も今後は重要になると思います。

槻木 先生もおっしゃるように、歯磨きって難しいんですね。それぞれ歯並びや歯の大きさは違っていますから。だから個別に歯医者さんに指導してもらうことは、よい口腔環境を作るには本当に大切です。

田中 また最近多いのは食いしばりの問題です。コンピューター社会になって常に奥歯などを噛みしめていると、咬合性外傷といいますが歯が痛んだり、歯肉が腫れたり、ぐらぐらになってくる。すると嚙み合わせが悪くなって食事もとりづらくなる。最近、噛むことで脳への血流が良くなるという研究結果も出ていますので、きちんと噛めるということは、認知症の予防などにも重要な役割を果たしていると思います。

槻木 これまでのお話を聞いて歯科医院は「健康を維持するための最前線」だと改めて感じました。病気になってから行く内科や外科と違って、歯科医院は定期的に通うことでいい口腔環境と健康長寿を実現できる。これからの時代、国民の健康を守るうえで歯科医師の役割はますます高まってくると考えています。

田中 分子生物学者の福岡伸一先生が「(新型コロナの)最大の対策は何かと言われたら、特効薬やワクチンではなくて自分の身体を信じることです」とおっしゃっています。この世界からウイルスを完全に除去することは不可能ですから、共生していくんだと。では共生には何が必要か、といえば、自分に免疫力をつけることだと。我々歯科医師としては、その免疫力をつけるために、ウイルスが体内に入る「入り口」である口腔内が健康で、いい唾液がしっかり出ることが大切だ、ということを発信していきたいですね。

歯科医院での感染は「ゼロ」

槻木 コロナが広がった当初、歯科医院も感染リスクが高い場所だという報道があって、多くの医院で「受診控え」があったと聞きました。

田中 当会会員の医院でも受診控えがありました。ただ、神奈川県歯科医師会に確認しますと、県内で患者さんからドクターにうつったケースはゼロです(昨年12月24日時点)。歯科医師が市中感染したことはあっても患者さんからの感染はゼロなんです。これはなぜかと言えば我々は唾液に触れますので、普段から患者さんが何かしらの病原体を持っている前提で治療します。それを「スタンダードプリコーション」と言いますが「常にマスクをする」「手袋は処置のたびに変える」といった対策をもともとやってきました。現在はより注意が必要ということで対策を強化しています。

槻木 曝露(ウイルスにさらされる)リスクが高いことと、感染リスクが高いということとは別だということですね。読者の皆さんには安心して歯科医院に行ってほしいと思います。
 

神奈川歯科大学 槻木(つきのき)恵一教授
神奈川歯科大学 槻木(つきのき)恵一教授
鎌倉市歯科医師会 田中直人会長
鎌倉市歯科医師会 田中直人会長
歯科医院での感染対策を語る田中会長
歯科医院での感染対策を語る田中会長

鎌倉市歯科医師会

鎌倉市台2-8-1台在宅福祉サービスセンター内

TEL:0467-45-2755

http://kamasi.jp/

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