すい臓がんのため5月11日に亡くなった市内在住の俳優、夏八木勲さん(享年73)は「チームサムライ」という市民団体の「名誉世話人」として、地元のまちづくりにも関わっていた。
「サムライ」は、防犯ボランティア団体「鎌倉ガーディアンズ」の大津定博代表らが中心となって一昨年発足し、「鎌倉に新しい祭を」と活動している。
夏八木さんが活動に参加したのは1年ほど前。メンバー募集のチラシをたまたま見た夏八木さんは、自ら大津さんのもとに電話をかけ「30年以上住んで子どもや家族を育ててもらった鎌倉に恩返しがしたい」と語っていた。周囲は「ぜひ会長か代表に」と要請したものの何度も固辞し、結局「名誉世話人」に落ち着いたという。
撮影のため全国を飛び回っていた夏八木さんは、活動に参加できないことも多かったが、その度に不参加を詫びるファックスや電話があった。昨年11月、会合に顔を出した夏八木さんは随分痩せて見えたが「役作りで体を絞っていて」と笑顔で話し、周囲に気を使わせなかったという。
原発事故を題材とした主演映画『希望の国』(園子温監督)が完成した際には「『政府は事故が収束に向かっているように言っているが、福島では何も終わっていない』と熱く語る姿が印象的だった」と大津さん。「俳優である前に一人の人間として常に問題意識を持っていたからこそ、地元にも目を向けてくれたのだと思う。もっと鎌倉について語り合いたかった」と突然の死を惜しむ。
大津さんは「今取り組んでいる『ご当地ナンバープレート』の完成、そしていつかは新しい祭の開催と成功を夏八木さんやご家族に報告したい」と話している。
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