湘南鎌倉総合病院お産センターと湘南鎌倉バースクリニックは1月10日、「お産と共感」をテーマにした講演会を鎌倉芸術館で開催した。
第1部では解剖学者の養老孟司さんが「現代は『意識中心』の社会で、自然を制御しようしてきた。対して出産や子どもは予測や計算ができない、自然そのものの存在なので、少子化や虐待が発生する。現代人はもう一度、自分自身が自然の一部であることを認識すべき」と話した。
また午後は動物行動学者の菊水健史さん、フランス・ドゥ・ヴァールさんが講演。様々な実験の結果をもとに、人間以外の哺乳類も仲間の痛みを感じ、慰める行動をとる場合があることを解説。ドゥ・ヴァールさんは、ある群れの中心にいた雌のチンパンジーが死の間際、長く群れを観察し顔見知りだった研究者を抱き寄せて頭をなでたりする映像を見せて、「共感は全ての哺乳類が備えている能力」と話した。
講演会を企画した同院副院長で産婦人科主任部長の井上裕美さんは「私たち産科の現場でも安全、安心を追求するあまり、置き去りにされたことがあるように感じている。人と人との絆のベースである共感がお産という機会に育まれていることを、もう一度考えてもらえたら」と話した。
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