越冬のため、遠くユーラシア大陸の北部などから日本へ渡ってくる渡り鳥―。この時期、足柄上地域の河川や湖沼でもその姿を見かけることのできる冬鳥たちの数が今年は激減していることが、先頃行われた県の調査でわかった。
毎年1月中旬に全国一斉に実施されている『ガンカモ類生息調査』の平成22年度足柄上地域の調査結果によると、丹沢湖や酒匂川などの湖沼・河川41ヵ所を対象にガンカモ類の生息状況を調査したところ、今年は9種類・846羽を確認。1305羽を確認した昨年に比べ、マイナス459羽と減少していた。
ガンカモ類調査は、ガンカモ類の個体数を把握することで湿地の保全や鳥獣保護区の設定などに活用しようと、環境省が都道府県へ依頼して昭和44年度から毎年実施されているもの。足柄上地域では県政総合センター環境部職員と管内の鳥獣保護員が観測を行っている。
同部では、直接の因果関係は不明としながら「昨年9月の台風の影響で河川の流れが変わり、渡り鳥の住処となるしげみが無くなり、餌の魚や藻などが流されるなど、生息地の環境が変わってしまったことが関係しているのでは」と推測している。
またガンカモ類の確認数が昨年の411羽から166羽に激減している酒匂川の状況について、酒匂川漁業協同組合では「渡り鳥に影響があるかはわからないが、昨年の台風では増水でアユやコイなどが下流に打ち上げられたり、海まで流されてしまっていた。また近頃、オイカワなどの雑魚類も減っている」と話している。
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