南足柄市塚原の古屋富雄さん(62)が2月23日、長野県南部の天龍峡の地元観光協会などに、南足柄産の早咲き桜「春めき」の苗木100本を寄贈した。早咲きの特性を生かした新たな観光名所づくりに役立てられる。
苗木の寄贈は、2011年に飯田市農業委員会が南足柄市を視察した際、南足柄市が推進していた花による都市交流「フラワーフレンドリーシティー」の一環で、春めきの苗木1本を寄贈したことがきっかけ。
飯田市農業委員会の委員として南足柄市を訪れた関島友弘さん(73)=飯田市川路=が、苗木を持ち帰り自宅の敷地に苗木を植えたところ「桜が咲かない3月中旬に見事な花が咲いた」。「個人で鑑賞するのはもったいない」と地元観光協会に打診し天龍峡の山あいに春めきを移植。花を見た関係者も「地域の観光振興に活用できるのでは」と植栽に向けて動き出したという。
天龍峡は長野県内でも温暖な飯田市南部の景勝地。飯田市観光協会によると県内の桜前線はこの地域から北上する。関島さんによると、ソメイヨシノやシダレザクラ、ヤエザクラなどが自生し、3月末5月末まで桜が楽しめる。そこに早咲きの春めきを植栽することで「さらに長く楽しめるようになるのでは」という。
苗木の寄贈は23日に古屋さんの自宅で行われた。飯田市から、市民グループの川路まちづくり委員会とJAの農業振興会議、天龍峡温泉観光協会の役員ら5人がトラックなどで古屋さん宅を訪れ、苗木100本を持ち帰った。古屋さんは「春めきが南信州の春の風物詩になってくれれば」と期待を寄せる。
春めきは2000年に古屋さんが品種登録し、塚原の農園で苗木を生産している。枝につく花が多く、香りがあり、ソメイヨシノより10日ほど早く咲く。南足柄の見頃は彼岸の入り(3月18日)頃になりそう。
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