JR御殿場線「上大井駅」前の桜4本が伐採が決まり、地元の上大井自治会(平田良(まさる)代表自治会長)が4月24日に、70年間地域を見守ってきた桜に感謝を込め神事を行った。6月上旬にも伐採される。
上大井駅前にある桜はソメイヨシノで、駅が開設された1948年に植樹された。「きれいで親しみやすい駅になれば」との思いから、地元で酒造りをする石井醸造(株)の四代目・石井孟雄(たけお)さんが周囲に50本以上を植樹したという。
駅前広場の整備などにより現存する桜は4本となったが、地元住民から愛され、行事のたびにこの桜の木の前で記念撮影を行うなど戦後の地元の発展を見守ってきた。
地域の人によると、一昨年から花が咲かなくなり、昨年は根元に少し葉が出ている程度まで弱り、枯れた枝が落ちることも目立つようになった。そのため大井町役場が樹木医に診断を依頼して、昨年の夏ごろに木の状態を調査した結果、倒木の可能性が高いことが分かり、駅前広場を管理するJR東海が伐採をすることになった。
桜に「感謝」
この情報を耳にした上大井自治会では「今まで見守ってくれた感謝の気持ちを込めたい」と神事を企画。地元の三嶋神社(加藤嘉孝宮司)から神職を招き、会員や町の職員ら12人で伐採前に木に感謝し清める儀式を執り行うことにした。
代表自治会長の平田良さんは「桜は駅の利用者を見守り春の訪れを告げてくれた。無くなってしまうのは淋しいが危険では仕方がない。桜の木に今までありがとうという気持ちを伝えたかった」と話していた。
JR東海では6月上旬にも4本を伐採する予定にしている。
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