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足柄峠笛まつりで篳篥(ひちりき)を奏でる 瀬戸 陽一さん 南足柄市内山在住 32歳

掲載号:2018年9月8日号

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ひちりきの音色に魅せられ

 ○…9日に足柄峠で開かれる笛まつりで奉納笛供養の伴奏を担う。ほかにも「越天楽」「荒城の月」を奏でる。父・利通さんから「内山雅楽会」の代表を受け継いだ。「伝統的な祭りに参画できることは光栄」「演奏をきっかけに雅楽の普及になれば嬉しい」と、気を引き締める。笛まつり最初の年は宮内庁楽部が同地を訪れ、雅楽を披露した。それから46年、笛まつりで笛供養を担い続けることになったのが「内山雅楽会」。会員10人のうち、今年は笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅうてき)の奏者5人が参加する。

 ○…1986年、南足柄市内山生まれ。弟2人、妹2人の長男。両親の影響で幼いころから雅楽が身近な音楽だった。主旋律を奏でる管楽器の篳篥は中学生のころ父に習い吹き始めた。西湘高校から早稲田大学に進み、卒業後に実家を離れた。

 ○…7年ほど前「雅楽の良さ」に目覚め、猛然と練習するようになった。「特有の音色と音の掛け合いが創り出す世界観」に魅せられた。雅楽は口伝学習がおもで、独学は不可能と言われる。あちこちに教えを請い、難しい雅楽の譜面も覚えた。長さ20センチほどの笛を額に筋を立て、頬を膨らませ、万感を篳篥の音に集中させる。「俺より上手い」と父は満足げに見守る。「毎日、数時間は吹いています。それとリードの手入れは欠かせませんね」と篳篥の入ったケースを見せてくれた。

 ○…昨年、家の後継者として故郷の内山に戻り、ほぼ同時に奈良で出会った女性と結婚した。尊敬するひとは「両親と妻」と話し、自らの性格は「一本気でこれと決めたら突き進むタイプ」と分析する。趣味は読書。お気に入りは村上春樹の『風の歌を聴け』。富士を望む足柄峠で、楽服姿でひちりきを奏でる姿は凛々しそう。

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