昨年高校野球の秋季県大会でベスト8入りした立花学園高校硬式野球部。新型コロナウイルスの感染拡大防止の対策で臨時休校に入り、2カ月が経過したが部活動も行えず、予定されていた大会も次々に中止になる状況の中、オンラインを駆使した独自の練習法「リモートベースボール」に取り組んでいる。(4月28日起稿)
鍛錬の冬を越え、各校のグラウンドや球場には球音と歓声がこだまする春を迎えるはずだった。
国内の情勢を受け、2月終わりに部員全員を集めたミーティングで志賀正啓監督から部活動休止の旨が伝えられると同時に、「日本一オンラインをうまく使える学校になろう」という言葉がかけられナインは結束。野球部では一昨年から取り入れたオンラインを使った新たな挑戦が始まった。
毎日の活動開始は午前7時。数種類のアプリを使い、部員130人が学年別にスマートフォンの前に集まると全体ミーティングが始まる。最初のうちは監督自ら動画を撮り配信。サインや守備シフトの確認なども行ってきたが、3月中旬に春季県大会中止が決まると野球の内容だけでなく、大学入試や新型コロナの現状など時事にも目を向けた。「いずれ必ず来る進路にも備え、私たちも動かなければいけない。マンネリ化を防ぐために試行錯誤しているが選手たちも時間の使い方が上手くなった」と志賀監督も手応えを口にする。
また、3年生は4月入部してきた新入生に野球部としての心構えや今やるべき練習法などを画面を介してプレゼンすることも日課に。中にはレポート用紙8枚にも及ぶ熱心な上級生もいる。
動画を見ながら監督から助言
毎朝のミーティング後はタブレットの向こうで選手たちが自宅付近で自主的に行う素振りやシャドーピッチングの動画を見て、監督が遠隔指導を行う。選手からは「すぐに監督に話が聞ける」と好評で、志賀監督も「手本になる動画などを用いて、我々も的確なアドバイスができる」と双方でメリットを見出した。
時には大学、社会人で野球を続ける選手や貿易関係、商社マンなどをゲストスピーカーに招き、ミーティングを行うなどオンラインの活用の幅が広がりを見せている。
4月下旬の取材日は高橋恒介、榎本悠人、◎井翔馬、露木秀太郎の4選手らが自宅付近で自主練習を行い、「仲間とグラウンドに集まれる日を信じている」と思いを寄せ、志賀監督も「夏まで2カ月。練習が再開できたらすぐに実戦を積ませてあげたい」と応えた。昨秋果たせなかった県ベスト4へ。今は離れていても野球部で掲げる「革命」へ思いは一つだ。
(◎は草かんむりに細)
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