管内の約8割を山岳地帯が占める松田警察署にとって、山での事故防止は大きなテーマの一つだ。最近は新型コロナの影響か単独での登山者が増加傾向にあるという。しかし、単独は遭難などのリスクが高いため、同署では控えるように呼びかけている。
年間1万人以上が登山する西丹沢は、都心から近いという利点もあり、県内でも人気コースの一つ。一方で松田署管内で最も遭難事故が発生している地域でもある。
それでも、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、5月に緊急事態宣言が発出されたため、登山者は大きく減少していた。しかし、5月末に宣言が解除されると、次第に登山者が増え始め、8月に入ってからは、ほぼ例年並みに戻りつつあるという。
同署によれば、通常8月は猛暑などから登山者が少ない時期になる。ところが、今年は関東甲信越地方の梅雨明けがずれ込んだことや、県内すべての海水浴場が閉鎖されていることもあり、キャンプ客と合わせて減少するような気配は見られない。これを受け、山岳救助隊・曽我浩隊長は「必ず登山届を出し、リスクが高い単独行動は避けてほしい」と登山客に警鐘を鳴らす。
必ず登山届を
新型コロナの感染拡大により、登山の形態にも変化がみられるようになった。密を避けるためか、グループやチームではなく、単独登山者をよく目にするという。登山届を提出せずに登山道を進む人も少なくないため、少しのアクシデントが遭難につながるケースもあるという。
同署では、遭難事故を防ぐため登山者に必ず守ってほしいポイントとして、「単独では山に登らない」「必ず登山届を提出する」「家族に行先を知らせる」「連絡手段(携帯・スマートフォン)を必ず持参する」の4つを挙げる。
山岳救助隊22人の隊員らと共に一層、遭難事故への警戒にあたるシーズンは続く。
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