山北町川西の神奈川県農協茶業センターで3日、平成26年度の足柄茶品評会が開かれ、山北町の細谷善國(よしくに)さん(65)のお茶が通算5回目の優等に選ばれた。審査員によると今年の足柄茶は作柄良好で「当たり年」だという。
品評会は足柄茶の品質向上のため、神奈川県茶業振興協議会が、足柄茶を製造する同センターで毎年この時期に開催している。 足柄茶の原料となる粗茶を同センターに出荷する県西部を中心とした生産者らが、今年は58点を出品した。 これらを神奈川県農業技術センターと茶業センターの職員8人でつくる審査委員会(北宜裕委員長)が、【1】茶葉の見た目(外観・30点)、【2】香り(香気・70点)、【3】煎じた色(水色・30点)、【4】渋み(滋味・70点)―の4項目(200点満点)を減点方式で採点し、上位から優等1点、1等2点、2等8点などを決定する。 優等を受賞した細谷さんは「今年は4月と5月の昼間の気温が高過ぎず朝晩は平年より涼しかった。そのため芽がゆっくりと伸びた。ここ数年ではないほど最高の出来だと思う」と話す。審査員を務めた茶業センターの遠藤洋仁さん(41)も「今年は当たり年」と太鼓判を押す。
親子代々で
品評会で5回目の優等を受賞した細谷さんは、山北町を中心に約2ヘクタールの茶畑を栽培している。
同居する父・晋(すすむ)さん(90)が昭和30年代の初めに桑畑を茶畑に転作して以来、親子代々の生産者として足柄茶の発展を支え、品評会では平成に入り24回の入賞実績を持つ。
5年前に息子の晋之(くにゆき)さん(28)が家業を継いだが、現在も善國さんをはじめ妻・康子さん(57)、収穫期には母・憲子さん(88)が畑に出て、晋さんも工場で孫を指導するなど親子3代で足柄茶を支えている。
年間約20トンの収量のうち95%を足柄茶の原料として茶業センターへ出荷。残りの5%は知人などに販売しているが、一般には流通しないため「幻の足柄茶」とも称される。
善國さんの父・晋さんは「お茶は嗜好品だから厳しい。和食が世界遺産に選ばれたからことを追い風にして足柄茶が再興することを願っています」と話す。
上位入賞者
品評会の上位入賞者は次の通り=敬称略。▽1等/籔田キヨ子(山北)、細谷康子(山北)、▽2等/相原和夫(秦野)、田中康介(小田原)、細谷晋之(山北)、グリーンティーあしがら共和(山北)、グリーンティーあしがら東部(山北)、佐藤勘平(松田)、チャピュア清川女性部(清川村)、山岸勉(秦野)―。 足柄茶は茶業センター足柄茶直売所(山北町川西、【電話】0465・77・2001)やJAかながわ西湘朝ドレファーミ(小田原市成田、【電話】0465・39・1500)などで販売されている。
足柄版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|