過去に、バスを待つ人のマナーの悪さがマスコミでも取り上げられた事もある停留所「桜丘高校前」。一時は近隣からの相次ぐ苦情により撤去も取り沙汰されたこの場所を守るべく、地域住民が協力するようになり3年。現在、バス停を取り巻く状況を追った。
近隣には岩崎中学校、桜台小学校もあり「学園通り」の名称で親しまれている道路沿いにある横浜市営バス停留所「桜丘高校前」。登下校時などは沢山の生徒が利用する同所に、利用マナー向上を呼びかける立て看板が設置されたのは3年前。当時はゴミの散乱や停留所周辺の汚れなどが常態化しており、近隣からの苦情やバス運転手の報告などで状況を把握した市交通局が立て掛けた。看板には「改善なき状況では、このバス停を撤去せざるをえないことが考えられる」といった強固な姿勢を印象付ける文章も盛り込まれていた事から、一部マスコミ等がこれを紹介。利用者側にとっては、早急な対策が求められる事態になっていた。
高齢者には死活問題
元々、桜ヶ丘エリアには高齢者が比較的多く住んでおり、さらに生活インフラの一部となっている同バス停は上り坂の頂上にあるため、撤去の話が上がった際には地域から「無くなると本当に困る」といった声が噴出。また桜丘高校の生徒保護者などからも「通学の関係上(バス停撤去による影響で)、不便になる生徒が出る」といった声も上がり、大いに懸念された。
撤去反対、猛アピール
そのため、付近の住民などが「バス停を守れ」を合言葉に対策に着手。当番制でごみ捨て場を清掃する際、同バス停周辺のごみ拾いも徹底して行うなど、美化活動を進め、撤去反対の意思を示してきた。
また、バス停を利用する住民が多く加盟する桜ヶ丘自治会(三浦恒喜会長)や、県営花見台住宅自治会(栗栖貞子会長)なども積極的に協力。従来、会のメンバーが行ってきた学園通りにある小・中学校の子ども達に対するあいさつ運動などを拡充し、桜丘高校前にあるバス停周辺も包括的に見守ることで、地域が一体となった美化活動を実践。またバス停を主体的に利用している桜丘高校の生徒たちも、定期的な清掃活動を展開し、マナー意識の向上を内外にアピールしてきた。
3年で「苦情ゼロ」へ
こうした活動を続けること3年。横浜市営バス保土ケ谷営業所の石渡春男副所長は、同バス停について「昨年1年間は、1件も苦情が寄せられていない」と話し、「住民各位の努力の成果」と説明。その上で「今後も利用者の方々にマナー向上を訴えていければ」と話している。
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