保土ケ谷消防団(杉山哲昭団長)は昨年度大幅な増員を図り地域防災力向上に大きく貢献したとして先ごろ、野田聖子総務大臣から感謝状を授与された。全国的に消防団員が減少する中、ファミリー層の取り込みが功を奏した。
災害現場での消火をはじめ、災害発生時の救助・救出、警戒巡視、避難誘導、災害防御など様々な現場で活躍する消防団員。全国ではピーク時の6割にまで減っており、団員の減少に歯止めがかかっていない。
こうした状況下にあって、横浜市では2012年4月1日現在の7022人を底に、団員は増加傾向にある。今春は7669人で、前年に対して全国一の増加数となった。団員増加の背景には、東日本大震災を契機に施行された法律により、消防団を中核とした地域防災力の重要性などが高まったことが挙げられる。13年にこの法律が施行されて以降、市内の各消防団は、独自の取り組みで団員確保を積極的に進めている。
保土ケ谷消防団は昨年3月31日現在で348人と52人不足し、4月から400人をめざし地道に活動を続けてきた。その秘密兵器が”ガチャポン”。イベント等で消防団の活動をPRするブースに設置し、アンケートに答えれば無料でできる仕組みだ。カプセルの中身は、消防車のミニカーや消火器の消しゴムなど。「子どもがやりたいと言えば、親御さんはだいたいアンケートに答えてくれる。そのなかで消防団の活動に興味があるかどうかを聞き、興味がある方には住所と名前を書いてもらい後日詳しい説明を行った。これがきっかけで入団した人は多い」と杉山団長は話す。
なかには「興味があったけど、仕組みを知らなかった」「地元の自営業しかできないかと思っていた」という声もあり、ガチャポンを通じ、ブースにいる団員と話すことで新たに興味を持つ人もいた。そんな地道な活動で今年2月1日には、400人を達成。3%の増員までは認められているため、11月1日現在で405人となっている。
団塊世代定年備え
これから課題となってくるのが、消防団を支えている団塊世代の定年だ。70歳が定年のため、「ここ3年は特に多く、10人以上が定年を迎える時期もある」と言い、「そのためにも継続的な団員確保が必要で、長く続けられる30代、40代のファミリー層の取り込みにガチャポンが効果を発揮している」と説明する。
さらに地元の商店と連携し、「保土ケ谷消防団応援の店」を展開している。来店すると団員とその家族はサービスを受けられるなど、新たな取り組みを始め、さらなる増員を図る策を積極的に講じている。
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