「女性に起こりやすい目の病気について」 コラム【3】 悠先生のちょっと気になる目のはなし
目の病気の中には、起こりやすさに性差のあるものがあります。今回はその中でも特に女性に起こりやすい病気について説明します。
目の病気には、ほかの全身的な病気に付随して発症するものがあります。関節リウマチやシェーグレン症候群などのいわゆる自己免疫疾患である膠原病は、その多くが女性に起こりやすいと言われています。これらの病気では、ドライアイや結膜炎、目の中の炎症であるぶどう膜炎や血管炎などが合併することがあります。ぶどう膜とは目の中の脈絡膜と毛様体、虹彩の総称で目を構成する上で大変重要な組織でもあります。そのため、眼科と内科が協力して診察に当たっていくことがよくあります。
また、ホルモンバランスが変化する更年期もドライアイや眼瞼結膜の炎症など目の病気が起こりやすくなります。診療では点眼などを上手く使いながら付き合っていくことを話しています。
少し特殊なところでは、乳がんに対する抗がん剤の副作用で、目の一番奥の視力に重要な場所である黄斑に浮腫を起こすことで視力が低下したり、ものがゆがんで見えることがあります。このような薬剤を使用する際には、最初から眼科も協力して診察に当たることが多くあります。
一方で、男性に多い目の疾患もあります。網膜剥離や色がほかとは異なって見える色覚異常などがありますが、また別の機会にお話しさせていただきたいと思います。
市ケ尾町の「梅の木眼科医院」の加藤悠院長が、目を健康に維持するために大切なことを分かりやすく教えてくれるコーナーです(月1回第2週目に掲載)
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