主婦たちのボランティアで運営している「こどもの本のみせ ともだち」(日吉本町)が、今年の3月で設立50周年を迎える。絵本児童書専門店として児童書の販売をしている同店。幼少期に来ていた人が、大人になって子どもと来るようになる人も。地域の人の思い出の場所となっている。
同店では、ロングセラーの児童書から新作絵本、リクエストがあった本など、常に2千冊程を揃えている。店に置く本は「売れる」よりも「読んでほしい」ものを取り寄せている。40〜70代の主婦ら約10人で共同運営をしており、多くのスタッフは元々同店のファンだった人だ。読み聞かせや手遊び、子どもの対応、イベントの企画運営など、それぞれの得意分野を生かしながら活動している。
店内は季節を楽しめるように、四季に合わせた本を飾っている。
地域と歩んできた本屋
絵本児童書専門店ではあるが、店に来る人の中には、子育てのことについてスタッフに相談する人もいる。現在店長を務める密本千種さんは、「引っ越す客から『子育てで行き詰った時に来て、その時相談に乗ってもらったことが忘れられない』という手紙をもらったことが印象的だった」とこれまでの地域との関わりを振り返った。また、幼い時に同店が開催するお話し会に参加していた中学2年生の男子生徒が、同店で職場体験を行ったこともある。
「ここで育った人が大きくなってまた来てくれることが嬉しい。地域に見守られているところが、『ともだち』のいいところ」と密本さんは顔をほころばせた。
同店スタッフの湯阪美智子さんも「20〜30年前に来ていた人から『続けてくれてありがとう』と言われて、店を運営していて良かったと感じた」とした。
今できることを
コロナの影響で「おうち時間」を重視する人が増えた昨今。家で絵本を読む人が増えた一方で、休業してイベントができない時期があり、同店は経営難に直面したが、スタッフの努力で地域の人たちを迎え入れ続けてきた。兵庫県出身の湯阪さんは、震災の影響で店をたたんだ人を地元で見てきた。「『あの店好きだったのに』という思いを知っている。だからこそ、店がなくなってほしくない」という強い思いを抱く。
経営のほかに、人員不足の問題もある。「ウィズコロナもあり、体力的にもイベントがしづらくなっている」と現在の課題を口にする密本さんは、「続けることが一番の願い。細々とでもできることをやっていきたい」と今後を見据えた。
40周年の時は記念イベントとして「ともだち」の開店時のスタッフを招いて、当時の思い出話を披露するイベントなどを開催した。50周年では、その時々の状況で規模や内容を決めるため、詳細は未定だが、年間を通して「50周年イヤーイベント」を開催する予定だ。
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