横浜市はこのほど、綱島東一丁目にある古民家「池谷(いけのや)家住宅主屋」を横浜市歴史的建造物に認定したことを発表した。区内では2015年度に認定された「田邊家住宅(日吉の森庭園美術館)」に次いで4件目、市内全体で102件目の認定となった。現在、周辺地域で進んでいる再開発事業を機に建物の一部を改修し、地域の歴史や文化を発信する拠点としての活用を目指すという。
横浜市はこれまで、1988年度に施行された「歴史を生かしたまちづくり要綱」に基づき古民家、近代建築、西洋館、土木産業遺産などを横浜市認定歴史的建造物として認定してきた。このほど、1857(安政4)年に建築された池谷家住宅主屋を新たに認定した。
「南綱島村」の名主として地域一帯を治めてきた池谷家は、鶴見川の河川改修への尽力や、綱島原種・日月桃(じつげつとう)の栽培と殖産興業への貢献、屋敷を公開し、地域への歴史文化を伝える活動など継続して綱島地域に対する地域貢献を行ってきた。
その舞台となる本建造物は、周辺地域一帯の歴史を継承する「シンボル」として高い価値を持つ。
再生と活用
池谷家住宅のある綱島駅東口周辺では2023年3月に東急新横浜線「新綱島駅」が開業、同年10月には新綱島駅前地区再開発ビルが竣工し、12月には新綱島駅上部の道路に新たなバス乗り場がオープンするなど、新しいまちづくりが進められている。そのような中で、市は同住宅主屋を歴史的建造物に認定し、「地域・歴史的資産の保全、活用」の方向性で検討を進め、池谷家がこれまで行ってきた地域貢献を踏まえて地域の魅力向上やにぎわい形成に資する機能による活用を検討するとしている。
16代にわたる池谷家の現当主である池谷道義(みちよし)さん(65)は「主屋が建築された安政4年は、横浜港開港の2年前。西洋文化が入り、大きく国が変わる直前の建物。近代史とともに歴史をまたぎ、6つの時代を生き延びてきた」と説明。「私の代までずっと住居として活用してきたが、これほどのものを個人で所有するには限界がある。耐震・防火など建築基準法の問題も。文化財とすることで、建物と歴史を守りたい」と話す。同住宅は167年の歴史の中で、関東大震災後の大正期、昭和57年と、半世紀ごとに改修を行ってきた。「3度目の今回が『令和の大改修』の一歩になるかな。次の時代にバトンを繋げたい」と池谷さん。
市は今後、歴史的資産を人々が集い、地域の歴史・文化に触れる拠点として活用することで、新たなまちと融合した綱島ならではの魅力と活力あふれるまちづくりを進めていく。横浜市都市整備局都市デザイン室長の光田麻乃さんは「市民や来街者に訪れてもらえる新たなにぎわいの拠点にしていければ」と期待を寄せる。
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公益財団法人 大倉精神文化研究所8月3日から31日まで大倉山記念館ギャラリーで展示会を開催します(19日は休館) |
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