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公開日:2021.05.07

汲沢町在住田中さん
「お家時間」は手芸を
コロナで見直す日本文化

  • 田中さんが作り方を指導した手芸品。封筒の裏紙で作った「フォトフレーム」(上)と、空き缶をペイントした小物入れ

  • 「作業中は不安なことも忘れる」と田中さん

 「第4波」といわれる新型コロナウイルス感染が拡大するなか、再び注目されているのが、「お家(うち)時間」だ。自宅での過ごし方はいろいろあるが、古くから家庭で親しまれてきた手芸に触れてみるのはどうだろう。区内で手芸教室を開いている田中綾子さん(汲沢町在住)に奥深さや楽しみ方を聞いた。

 「作っているときは集中しているので、不安なことも忘れられる。完成すると達成感も味わえます」。田中さんはコロナ禍での手芸が果たせる役割をこう話す。

 一人で、あるいは親子など少数単位で作業ができるのは、感染対策にもつながる。

 田中さんが勧める手芸は、100円ショップで手に入るような材料を使い、1時間程度で誰もが簡単に作れるもの。例えば封筒の裏紙で可愛らしい花を作り、購入したフレームに貼り付ければ洒落た「紙製花のフォトフレーム」の完成だ。田中さんは「この機会に素朴な楽しみを体験してほしい」と笑顔で語る。

心の安定化につながる

 1973年に東京都で生まれた田中さん。物心ついた頃はまだ「昭和の香り」が濃厚に残る時代だった。小学生から家庭科が好きになり、高校の入学祝いには、ミシンを買ってもらう。以後バッグや洋服を作っていたという。大学卒業後出版社勤務を経て、レコードからCDに音源を編集する会社に転職。そこで昭和歌謡などに触れるうち、改めて日本の文化に興味を持つ。「向田邦子作品のような世界観。私の母と同じように家事、子育てを大切にしたいと思った」。結婚後、戸塚区に居住し、子どもが小学生の頃には、学校の家庭科ボランティアを務めた。数年前に得意の手芸を生かした教室「クラフトケーション」を設立。現在は月に1回、旧戸塚区役所跡地にある「ONE

 FOR ALL横浜」で講座を開いている。

 田中さんは「物作りは原始的で心の安定化につながる。日本の家庭に脈々と続いてきたハンドメイドの素晴らしさを伝えたい」と話す。

 詳細は「クラフトケーション」で検索を。

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