9月に発生した鬼怒川の堤防決壊被災者に「心を寄せよう」と岩崎中学校男子バスケットボール部の父母会有志らが企画した支援イベントが11月27日に宮田町の横浜水道会館で開かれ、約60人の区民が継続的に現地に入り活動しているボランティアらが語るいまなお、日常とはかけ離れた暮らしを送っている被災地の実情に耳を傾けた。
この支援イベントで中心的役割を果たしたのが今回の水害で大きな被害が出た常総市の出身で現在は星川に暮らしている小野直子さん(46)。都内で開かれた被災地支援イベントに参加し、報道で目にすることが少なくなった「傷を負った故郷が踏ん張り時」を迎えていることを知り、この時、「常総市のいまの姿」を伝えた本橋綾子さんに「被災地に関心を持ってもらうきっかけになれば」と、保土ケ谷でも講演を依頼した。
必要とする支援細分化している
60人近い区民が集まった27日のイベントで、本橋さんは被災直後から毎週末、常総市内の避難所で炊き出しボランティアを続ける中で見えてきた被災地の実情を写真を交えながら紹介。
ペットとともに避難しているため、建屋内に入れず、屋外にテントを張り避難生活を続ける外国人がいることや、キッチンや風呂があった1階部分が浸水し使えない中で、2階で生活を続けている人が多いことなどを伝えた。
また、時の経過とともに復旧状況に「格差」が出てきているとし、必要としている支援が地域や家庭ごとに細分化していると指摘していた。
サーフボード携え救助へ
この日は本橋さんのほか小野さんの弟でカメラマンの古矢優さんも登壇。サーフボードを携え、浸水した実家に向かったエピソードや、生活が困難となり、人口の流出が始まっていることなどを紹介した上で、「飲食店なども少しずつ営業を再開してきているので1度、常総を訪れてほしい」という現地の人々の声などを伝えた。
ごっこ遊びで水害時を再現
また、子どもたちの暮らしぶりを伝えた保育士は、水害当日の朝、登園後、避難へ備え、園児はリュックを背負ったまま過ごしたことや、災害後、園舎が使えなくなり、これまでとは異なる環境での保育に馴染めず、心が不安定な子どもが出てきているなどと話した。
さらに「ごっこ遊び」の中で「水が来ちゃうからテーブルに登って」と、水害時の避難のようすを模写する子どもがいるなど、今回の災害が小さな心に大きな傷跡を残していることを表すような出来事などを紹介した。
支援イベントを終え、小野さんは「多くの方々に参加いただきありがたい。復興には時間がかかる。多くの方々に少しでもいいので、被災地のことを思っていただいたり、心を寄せていただければ」と話した。
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