日蓮宗樹源寺 権住職 日比(ヒビ)宣仁(センジン) 連載35 法話箋 〜鹿苑〜 行位論(ぎょういろん)について―六即説(ろくそくせつ)―
仏教教理の一つに行位論(ぎょういろん)があります。行位(ぎょうい)とは修行の位という意味で、修行レベル(段階)のことです。日本仏教の母体と言える天台宗は、六即説(ろくそくせつ)という行位論を説きます。六即とは、【1】理即(りそく)【2】名字即(みょうじそく)【3】観行即(かんぎょうそく)【4】相似即(そうじそく)【5】分真即(ぶんしんそく)【6】究竟即(くきょうそく)です。【1】には仏教のことを知らない人が該当します。仏教では全ての衆生(生きとし生けるもの)が悟りに至ることができると考えます。故に、仏教のことを知らない衆生さえも、仏教の行位に組み込むのです。【2】は仏教の教え(名字)を聞いたことがある人を指します。このコラムの読者の方々は名字即(みょうじそく)に当たるでしょう。そして、もしこのコラムをお読み下さり、少しでも「仏教は面白い」と感じて頂けた人は【3】勧行即(かんぎょうそく)に当たります。仏教に共感し、あるいはそれに基づいて修行をする段階が【3】だからです。【4】は六根清浄位(ろっこんしょうじょうい)と呼び、心身が清浄(しょうじょう)になる段階。【5】は部分的に真理を悟る段階。【6】は最上の悟り、つまり釈迦が到達した悟りです。
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