この春から保土ケ谷消防署の第43代署長を務めている 森屋 司さん 神戸町在勤 59歳
ワンチームで命守る
○…「一人の力で火は消せない。消防士は個人のスキルに加え、チームワークも大切」。強い意志を持ち、約160人の署員をリードする。保土ケ谷での勤務は7年ぶりだが、「まちの皆さんの温かい人柄は変わっていない」とほほ笑む。温かい人々が暮らすまちの「ニーズに応えたい」と気を引き締める。
○…泉区出身。横浜商業高校では硬式野球部に所属。3年時に主力の捕手として甲子園に出場し、春夏連続の準優勝に貢献した。夏の決勝ではプロ野球でも活躍した桑田真澄さん、清原和博さんらを擁するPL学園と対戦。敗れはしたが、「実力が抜きん出た相手にも仲間と力を合わせて対等に戦えた」と青春を振り返り、チームワークが大きな力を引き出すことを実感したという。
○…野球で鍛えた体を活かそうと、高校卒業後に消防士の道に進んだ。保土ケ谷署の警防課長を務めていた時に発生した火災では、現場に取り残された人の救出に大きく貢献。意識不明となっていた救助者の容体が回復し、その家族から「助けていただきありがとうございました」と強く手を握られた瞬間、「消防士を続けてきて良かった」と本気で感じたとか。「救える命よりも救えない命の方が多い。だからこそ、仲間と取り組む訓練の積み重ねが大切」
○…先日、能登半島地震の緊急消防援助隊神奈川県大隊の大隊長として被災地を訪問。地震による火災で焼失した家屋を目の当たりにし、「想像以上に被害が大きかった。火災の怖さを改めて知った」と真剣なまなざしで語る。「公助だけで皆さんの命を守るのは難しい」といい、日頃から消防団の活動や防災訓練に取り組む住民に感謝の気持ちを示す。ワンチームで保土ケ谷区の安心・安全に全力を注ぐ。
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