二本の弦で奏でる音色の美しさから、東洋のバイオリンともいわれる中国民族楽器「二胡」。その二胡を7歳から習い始めた若き日本人奏者・本多ゆとり君(13)が、国内外の様々なコンクールやイベントで活躍を見せている。
きっかけは、二胡を習い始めた祖母だった。当時小学1年生だった本多君は、祖母の家で初めて触れた楽器に心惹かれ、「習いたい」と母に訴えたという。
世界を視野に
小学2年生から「世界で活躍する二胡演奏家」を夢に掲げ、中国人講師に師事。4年前には演奏を深めるため本場・中国の風土や文化を体感しようと、祖母と母とで北京の語学学校に半年間留学。中国語を学びながら、現地の音大生から本場の二胡を習った。
留学後は積極的にコンクールに出場し、一昨年は「青楽杯・香港国際青少年二胡コンクール」「香港国際芸壇主催 国際二胡コンクール」で金賞を受賞。昨年8月には、3年に1度開催する「敦煌杯」の14歳以下の部で銀賞を受賞した。
コンクールでは、国内では巡り会えない同世代の奏者から刺激を受け、レッスンも基礎から見直し、自宅でも毎日3時間以上にわたる自主練習に励んでいる。
中国語でレッスンを行う講師とより円滑なコミュニケーションを図ろうと、現在中華学校に通い一般教科や英語と中国語を並行して勉強しているほか、将来的にはオーケストラでの演奏にも対応できるよう、二胡の数字譜のほかに五線譜も学んでいるという。
家族の応援が夢を後押し
そんな夢に向って進む背中を後押しするのは家族。祖母は必ず出演するコンサートやイベントに駆け付け、祖父と父は舞台装飾を制作。「やるからには全力で挑戦してほしい」と話す母・聡美さんは自ら立ち上げたホームページでの情報発信やイベント、コンサートなどのスケジュール管理など献身的に支え、2人3脚で夢を追っている。
本多君は「支えてくれる家族や色んな人に感謝しながら頑張りたい」と話す。
二胡の演奏通じ日中の架け橋に
もう一つの夢は二胡を通じて「日本と中国の架け橋」になること。「日本で多くの人に二胡という美しい音色を奏でる中国楽器を知っていただき、二胡の人気を高めたい。二胡をきっかけに中国への印象も変わると思う。演奏する機会を増やしていけたら」と本多君。
過去に岩間市民プラザで開いたコンサートでは演奏に涙した人の姿も。「聴く人の心に感動を与え、いつまでも心に残る演奏を目指しています」。これからの活躍に目が離せない。
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