横浜市交通局は4月から、ウェブ上で市営地下鉄の列車の位置情報などの公開を始めた。いずれは市営バス同様にオープンデータ化して事業者らの情報活用を促し、発信方法を広げて利用者の利便性向上を図る。
これまで市交通局は、各駅や同局のホームページ・SNSなどで地下鉄の運行・遅延情報を発信してきた。しかし、運行・遅延に限らず列車の走行位置も含めたリアルタイムでの情報公開を求める利用者の声が多く、同局の経路時刻表検索サイトで公開に至った。
表示される情報は列車の行先や「快速・普通」の種別、位置(停車駅または走行する駅間)、遅延状況、到着予定時刻。スマートフォンやパソコンなどの情報端末から随時確認できる。私鉄各社はアプリを使う例が多いが、端末の容量などを考慮してサイトから利用する仕様とした。また、視覚障害のある人の利用も踏まえ、端末の音声読み上げ機能にも対応する。
オープンデータ化で活用促す
公開した情報は今後、一般・事業者へ広く提供するためにオープンデータとする方針。鉄道の位置情報をオープンデータ化する事例は全国でもまだ少ないが、事業者らに情報を活用してもらうことで、市だけでは実現が難しい他鉄道・バスなどとの連携や多言語対応といった新たなサービス開発や課題解決につなげる狙いだ。同局担当者は「国内外各社が活用できる形式のデータで準備している。学術利用含め広く活用してもらい、その先に利便性向上につながれば」と期待する。
バスもウェブ発信推進
市営バスでは2005年から、運行情報や車両の位置を携帯電話などで閲覧できるサービスを開始。20年8月、混雑情報も加えてオープンデータ化した。そうした情報が活用され、21年からグーグルマップ上での表示が始まるなど、情報発信の幅が広がった。
ウェブでの発信を進める一方、一部のバス停に設置されている接近表示機は順次停止する。機器の老朽化が進み、更新には数百万円かかることから、同局担当者は「ウェブ上での発信を進め、サービス維持向上に努めていく」と話す。
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