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高津区版 公開:2014年3月14日 エリアトップへ

高津物語 連載第八三四回 「宝永噴火」

公開:2014年3月14日

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 溝口神社の旧社名を、赤城神社と云った。何故赤城神社を召喚したか、の疑問は宝永四年(一七〇七)十一月二〇日から一週間続いた噴火を「宝永噴火」と呼び「富士山の根方須走口焼け、天暗く雷声地震夥しく関東白灰降りて、雪の如く地を埋む。西南頻りに稲光有り。白昼暗黒の如くに成、行灯、提灯を灯す。」とは当時の状況を伝える「武江年表」の記録が伝える。宝永噴火は十一月二〇日から二週間続き、神奈川県全域で二センチ以上積もったと一般に周知されている。

 向後に同規模の噴火が起きた場合、三〇センチ以上降灰が積もるのは厚木、秦野、伊勢原、南足柄四市と大井・松田・山北・開成・清川、静岡県御殿場市、山梨県山中湖村など十二市町村が該当。雨が降った場合に木造建設が倒壊する恐れがあり、対象地域四七万人のうち、四〇万六千人を神奈川県が占めた。

 ともあれ宝永噴火と同規模の噴火が起きると、南関東全体で同規模の二センチ程度の降灰があり、範囲は東京都心、横浜市や川崎市全域が含まれる。夏目漱石の小説『三四郎』に登場する東海道線で上京中の老婆が、富士山が観えると、急に正座して思わず手を合わせ、拝み入る神々しい富士山は、変形してしまう可能性もある。

 「武江年表」は続けて「再び天曇り、砂降り、雷鳴の如き響き、地震あり。是より黒灰降り云々」と続く。こんな時、溝口の古刹日蓮宗宗隆寺が富士山宝永噴火の被害に悩む檀家衆に相談し溝口神社創建が決定。

 勧奨したのは富士山から遠く離れた、上州赤城媛命の御神体であったが、勧奨の年月は判然としない。

 溝口赤城神社、久地淨元寺持ち赤城稲荷社、上作延赤城神社、上作延赤城山妙覚院延命寺と四つの赤城山女神が、七面山周辺の山や、坂や川、道や峠等天上界を支配し、森や木に降下して「天つ神」といわれ、「国つ神」と共に地上を統治する権力を持ち、社会生活を平穏に保つ力がある祖先と認めて降雨・鎮風・鎮火戦争平定等を祈った。

 溝口宿名主丸屋七右衛門の販売した『武陽玉川八景図』は、片町から七面山全体を取囲む様に描写する。
 

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