神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
高津区版 公開:2015年4月3日 エリアトップへ

高津物語 連載第八八八回 「上作延への道」

公開:2015年4月3日

  • LINE
  • hatena

 上作延への道は、片町十字路の「川屋」から始まる。

 店と土蔵が接続した整った形をした「川屋」は、川辺家の屋号で、昔は質屋と呉服屋を営んだが現在は一階がクリーニングを商うビルに変わっている。

 昭和十七年宮前区宮崎に東部第六十二部隊が駐屯すると、全国各地から入隊の付き添いや面会する家族が出て来て、片町十字路が入営する肉親との最後の別離の場となったが、汽車がなかったりして故郷に帰れない人々が、良く「川屋」に泊まったという。

 そのため布団を何組も用意していたという。上作延方面への道は、「川屋」を右折する一本だけだった。

 寛政三年(一七九一)に青陵岩精が描いた『武陽八景之図』は、七方向に聳える「七面山」(真中を南武線が通行するような道はない)の山裾を上作延方面に右折する。

 が、両側に十軒位の家並を見て、其のまま進むと「綱下げ道」(「津田山」道)と「聖松道」(「向ヶ丘」方面)に分かれる。

 「聖松道」の先に「都筑丘ノ夜雨」が描かれているから、この限りでは「大山街道」は完備されてなくて、現在より遥かに登戸寄りで宮前区に入ったことが判る。

 「聖松道」途中に「下作延」がある。

 東京都世田谷区立郷土資料館蔵「綱下げ道しるべ」(江戸時代後期)後段に

 「下作延の綱ニ松

 願 つなにとり仕り

 兜松申しし

 上作延のひじり松

 上は百尺の志あり

 下は千薬の

 茯苓(ぶくりょう

   ―菌類の漢方薬)

 あるらんとして

 君が代祝う

 瑞象なるなり」

 (古文書解読には「高津古文書研究会」飯田・関両氏の協力を頂いた、感謝!)

 「上作延」は「綱下げ道」の七面山山裾を行った「向ヶ丘ノ秋月」直下に表示され、そのまま進むと多摩区の「枡形山」に出る。

 その左に「大山」が描かれているから、この限りでは「大山街道」を使った「大山参り」は無く、大山参拝は「津久井街道」を使った「大山詣り」のみとなる。
 

高津区版のコラム最新6

GO!GO!!フロンターレ

市民健康の森だより

不定期連載

市民健康の森だより

第134回 ジャガイモの成長に欠かせぬ「芽カキ」について

4月26日

市民健康の森だより

不定期連載

市民健康の森だより

第133回 熱心な受講者に感心「里山保全体験教室」

4月19日

教えて!職人さん

教えて!職人さん

vol.51 「外壁塗装」防水工事に重要な事とは…?

4月19日

GO!GO!!フロンターレ

お金のはなし

税理士・FPの高橋さんが解説「金融投資について考える」

お金のはなし

4月19日

あっとほーむデスク

  • 5月20日0:00更新

  • 4月15日0:00更新

  • 4月8日0:00更新

高津区版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

高津区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月26日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook