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高津区版 公開:2015年8月28日 エリアトップへ

高津物語 連載第九〇八回 「踊る島・沖縄」

公開:2015年8月28日

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 岡本太郎は見た。

 「歓声のど真ん中に、女が飛び出して来た。

 粗末な木綿のスカートにひっつめ髪、飼い主らしい中年のおばさんだ。笑み溢れた顏、ひょこひょこと手を振り上げ、足を踏む。アッと思うような姿で、牛に正対して追っては、つと離れ、軽やかに廻る。

 それは私が沖縄で見たすべての踊りの中で、最も純粋で、直接的なエキスプレッションだった。

 もちろん、少しも儀礼的なものではない。本当にうれしくてたまらない。みんなと喜び合う気持ちが自然とあふれ出てくる。表現、ひどく素直な肉体のリズムであるということはすぐわかった。だが、このような踊りの感動は、言いかえれば、生きるアカシの儀式化もしれない。人は生きるために、如何に耐えなければならないか。だからこそ、生きるよろこびが証し立てられなければならない。

 その時生活と踊りはまさに一体であり、殆んど生きる事の儀式と言って良い様相を帯びるのではないか。

芸術の本質がまたそこに暗示されているだろう」(『沖縄文化論―忘れられた日本』岡本太郎著・中公文庫)

 田園都市線高津駅下りホームにも、ノクテイ・プラザ十一階の高津市民館ロビー壁面にも、岡本太郎のレリーフ作品『高津』(一九八八・陶板で製作)が掛る。



 「清らかな多摩川の流れ

遠く大山詣りの人々を

惹きつけてそびえる山

そして一筋の往還、ながい歴史、生活の厚みがそこに象徴されている

高津は母、岡本かの子の

故郷だ。

私にも幼時からの、

濃い思い出がある。

まだ橋の架かっていなかった多摩川を、母と一緒に

渡し船に乗って越えて行くと

今「かの子の碑」の建つ

二子神社の下の河原に

親戚の人たちが揃って

迎えに出て手を振っていた

その光景が今でも嬉しく

思い出される。

此絵は私の心に凝縮された懐かしいふるさと高津である。  岡本太郎」
 

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