「おはよう!」「行ってらっしゃい。気を付けてね」。高齢者と、久地小学校に登校する児童がハイタッチしながら、元気にあいさつを交わしていく。平日の朝、久地で見られる和やかな風景だ。
この「声かけ運動」は、久地駅近くの「金子整形外科」の開院を待つ高齢者たちが始めたもの。当初は同院の受付係の子どもが登校する際に声をかけていたが、次第に10人ほどの児童とあいさつを交わすように。児童も毎朝「おはようございます」と笑顔で返している。「今年中学に入った子が、小学1年生だった頃から続けている。雨が降っていても傘を片手にハイタッチしています」と話すのは、高齢者たちのリーダー役・玉腰明さん(77)。
玉腰さんは週3日ほど同院を訪れ、開院を待つ高齢者のために椅子を用意したり、アメ玉を配ったりしている。児童が来ない間は雑談を交わし合い、一つのコミュニティーが出来上がっている。「みんな顔見知りなので、ここに来るのがいつも楽しみ。子どもたちからは元気をもらえるし、口だけは若いからおしゃべりも楽しい」と、80歳代の女性も笑顔だ。
「こっちから声をかければ、子どもたちも『行ってきます』と返事をしてくれる。知らん顔をするより、声をかけることが子どもたちの安心につながるし、お年寄りも元気になれる」と玉腰さんは朗らかに話す。
夏休み明けには再び、高齢者と児童の元気な声が、久地の街を明るくする。
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