高津区版 掲載号:2018年8月31日号 エリアトップへ

連第一〇五九回「上の紺屋」 高津物語

掲載号:2018年8月31日号

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 八月の暑い盛り、私は染色の話をした。その時、大山街道「上の紺屋」の話をしなかった後悔が後を引き、申し訳なく思う。

 上の紺屋は伊藤染色店といい、今はビルになっているが、昔は平瀬川と根方堀に挟まれた奇麗なお宅で、井戸水を使わずに平瀬川の水で染色をされていた様だ。染料は「あゆ」という高さ一五〇センチの一年草の葉を団子にし、東京仙川の農家から取寄せ、「真あゆ玉」を湯で伸ばし土に半分埋めた瓶に入れ、おが屑を燃やして人肌に温め発酵させる。染めたのは、糸と半天で、糸染めは農家から頼まれた手織り用の絹糸に東京の問屋から注文された綿糸が主で、半天は、鳶・土方・大工・左官等幅広かった。客は渋谷、稲城長沼・小杉・港北区の辺りまで。染めの他、しんしばりといって、汚れた着物を解き、洗い、糊付けし、乾かすこともした。染料の後、綿糸や布地を糊や染料が良くのる様に煮、糊置きし色を付けない部分を型抜きする為、他店にやり、戻った物を灰汁で下染、瓶に入った藍に十分程入れ、取り戻す。これを五回程し、水桶に一晩入れ、箒で糊を落とし、川で濯ぎ、乾かして裁断した。今は染色、染抜き、洗張り、クリーニングをやっていますと大変な作業が分かる。『手工事の日本』で柳宗悦は「染の技が近頃落ちてきたのは、いかにも残念に思います。昔の様に色を草木から取る事をしなくなりました。染め易い為、化学染料を用いるので、値が安くなり、今まで見なかった俗な、どきつい色が現れるに至りました。なぜ化学は美しさの点で負ける様な物を発明したのでありましょうか」と悲痛の叫びを上げる。伝統芸能を守り、日本美の継承を守りたいと思う。
 

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