郷土史には記録されない、たかつの記憶をたどる まちのこぼれ話 第9話 その5 斉藤 マキ子さん
◆蕎麦や料理をふるまう講中
あと、昔はこの辺も講中(こうじゅう)というのがあって、お葬式や法事などがありますと、その講中に入っている人たちが集まるんです。最初は14軒くらいあったんですが、だんだん減っていきました。何かあると集まって。おそばをゆでたり、お料理をしたり、来た人にふるまいました。また、正月には餅つきを大きな臼で自分でやっていました。その影響か、今までお餅を買ったという経験はありません。
ここら辺りは開けるのが早かったので、周囲の方は田んぼを手放し、宅地になっていきました。今の派出所の向こう側に県営住宅ができて、住宅街になりました。嫁ぎ先が久本で良かった。坂道はなくて、平らなところで、駅も近いでしょ。この家もまだね、樹木がいっぱいあるでしょ。庭にある梅の木は、いつ植えたのか知らないというくらい古い木ですけど、今でも30キロ程梅がとれます。それで梅干しを漬けたり、焼酎に漬けて梅酒を作ったりしています。家の前にある井戸は蓋をしていたんですけど、今は地震だなんだのと災害に対して備える時代でしょ、だから井戸屋に点検していただき、ポンプをつけてもらいました。この井戸の水は途絶えたことがないんです。
若い頃は本当に大変だったけど、今は息子夫婦と孫3人の6人家族で幸せな日々を過ごしています。
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4月26日