神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
高津区版 公開:2018年1月12日 エリアトップへ

連載第一〇二八回 「街道の高層化」 高津物語

公開:2018年1月12日

  • X
  • LINE
  • hatena

 大山街道溝口宿は周知のように、江戸時代中期からの古い街道である。この街道が、ここにきて大きく変わろうとしている。

 大山街道溝口宿旅籠で宿主を兼ねた丸屋が十二階のビルにする工事中である。丸屋の斜め前の稲毛屋金物店も店蔵を後方に引っぱり、街道沿いに十二階ビルを建築中である。

 この他、二ヶ領用水沿いにあったJRアパートも取壊されて高層化すると聞く。

 古い大山街道は平成の時代で遂に消えていく。悲しいことだけれど、時代が時代だから仕方がない。私のやったことといったら、国木田独歩の碑を高津図書館前の緑地に移したことくらいだ。戦時中、強制疎開された『大山街道中宿』高層化は、丸屋の高層化で一先ず終了するが、思えば思うほどにすごいことだと思う。

 強制疎開の二次計画でかろうじて疎開を逃れた旧六ヶ村堀の商店も、高層化の計画があると聞く。何とかしてほしいと願うばかりだが、これもこれ、時代の移り変わりで仕方のないことなのだろうと思う。

 結局、私達の生きてきた時代は、戦争から復興してきて高層ビルに住まいして終焉となるのだと考えた。

 高津物語の歴史は、奇しくも大山街道のビル化の歴史でもあったと総括できる。予想も想像もしなかったことであった。

 というわけで、もっともっと大山街道の高層化は進化すると予想される。「何か押しつぶされそうだ」等と言わず、大山街道溝口も遂にビル・ラッシュになったかといい意味で受け止めて欲しいものだと思う。

 街道らしい街道と好評だった「溝口」は、かくして生まれ変わった。国木田独歩、島崎藤村が大貫雪之助を訪れては谷崎潤一郎がやってきた。岡本かの子の恋のアバンチュールがあり、岡本太郎が身を寄せた大貫家も今はなくなった。古い歴史や家屋がなくなっても、古い歴史を飽きずに高津の文化のために、いつまでも追っていきたい。
 

高津区版のコラム最新6

GO!GO!!フロンターレ

市民健康の森だより

不定期連載

市民健康の森だより

第134回 ジャガイモの成長に欠かせぬ「芽カキ」について

4月26日

市民健康の森だより

不定期連載

市民健康の森だより

第133回 熱心な受講者に感心「里山保全体験教室」

4月19日

教えて!職人さん

教えて!職人さん

vol.51 「外壁塗装」防水工事に重要な事とは…?

4月19日

GO!GO!!フロンターレ

お金のはなし

税理士・FPの高橋さんが解説「金融投資について考える」

お金のはなし

4月19日

あっとほーむデスク

  • 5月20日0:00更新

  • 4月15日0:00更新

  • 4月8日0:00更新

高津区版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

高津区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月26日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook