川崎市は認可保育所等に入れない待機児童数が、4月1日時点で2年連続ゼロになったと今月発表した。市は保育所等の整備により保育受け入れ枠を拡充したことが一因と分析。希望の入所先に入れない保留児童数は、前年比294人減の1552人だった。
就学前児童数は前年比3135人減の7万3611人だったのに対し、保育所等の利用申請者数は709人増の3万6107人に。利用児童数も1003人増の3万4555人でいずれも過去最多だった。待機児童数は4年ぶりに達成した昨年に続きゼロで、2015、17年に達成して以来、2年連続は初。福田紀彦市長は11日の会見で「引き続き多様な保育受け入れ枠を用意し、それぞれのニーズに合ったものに応えたい」としつつ、「就学前児童数が急速に減っている。市全体としては枠は余ってきている傾向にあり、必要なところをこれまで以上にきめ細かく見て施設整備等をすることが必要」と語った。
保留児童半数は育休
保留児童数は昨年度の1846人から、さらに減少した。コロナ下では育休延長のために利用申請を行う傾向もみられ、市内保留児童の半数近い767人は育休関係。次いで認定保育園など市の保育施策で対応する児童が330人、特定の保育所等の希望者は307人だった。各区役所では子どもの預け先を初めて探す人に向けてポイントをまとめた冊子を配布したり、年度限定型保育や幼稚園預かりなど、多様な施策を入所保留者に案内し、相談に応じてきたという。
中原区、独自に動画の配信も
中原区の保留児童数は前年比77人減の273人と、市内では多摩区の283人に次いで多かった。区は今年4月に新たに保育所を5施設(昨年は4施設)整備したほか、保育定員を拡大するため2園を認可化し定員枠を増加したことなどが改善につながったとみる。広報活動に関しては区の子育てキャラクターを使った保育所等利用申請の案内を動画配信するなど、働いている人もスマートフォンなどでいつでも見ることができる独自の取り組みも行っている。
市内全体の傾向と同様に就学前児童数は減少しているものの、利用申請者数は前年比より75人増の7430人だった。区の担当者は「中原区は市内でも就学前児童数が最も多い。保育ニーズに応えられるように今後も保育施設等の整備を進めていく」と話した。
中原区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|