新春インタビュー まちの魅力向上に意欲 阿部市長、抱負を語る
新年にあたり、本紙では、阿部孝夫市長に恒例の新春インタビューを行った。阿部市長は今年を「新たな飛躍」の年として位置づけ、さらなる行財政の改革の推進を図り、まちの魅力を高めていくことに意欲を示した。
−あけましておめでとうございます。早速ですが、昨年1年を振り返り、川崎市にとってはどんな年だったのかお聞かせ下さい。
「昨年は、指定都市移行・区制施行40年、宮前区・麻生区では区誕生30年という記念の年でしたので、各地で様々な事業を実施しました。川崎市の人口は、1972年の98万人から、144万人と増加し、大都市へと変貌を遂げました。
また、東日本大震災の教訓を踏まえ、地震被害想定・地域防災計画の見直しや、帰宅困難者対策、臨海部津波避難施設の指定など、区では防災ネットワークや自主防災組織の強化など、災害に強いまちづくりに取り組みました。
さらに、井田病院新病棟の一部開院や、新百合ヶ丘の総合病院の開院、幸区の民間病院の重症患者救急対応病院への指定など、救急医療体制を強化しました。
一方、少子・高齢化への対応では、保育所整備や認定保育園の充実などの待機児童対策とともに、認知症疾患医療センターの指定や特別養護老人ホームの整備等を着実に進めました。 4月にオープンした『かわさき宙(そら)と緑の科学館』には、多くの市民の方にお越しいただきました。また、昨年1周年を迎えた『藤子・F・不二雄ミュージアム』では、ドラえもんに特別住民票を交付し、大いに盛り上がりました」
−今年1年の重点施策はいかがでしょう。
「今年は、昨年に引き続き、地域防災計画の本格的な見直しなどを進め、市民生活の安全安心の確保にしっかりと取り組みます。
川崎駅東西の回遊性の向上等のため、北口自由通路の整備に着手します。稲田堤駅や津田山駅では、橋上駅舎化に取り組みます。
一方、昨年オープンした『新川崎・創造のもり』のナノマイクロ研究施設、『キングスカイフロント(川崎区殿町)』にオープンする『川崎生命科学・環境研究センター(愛称:LiSE)』を拠点として、医療・環境・福祉産業の振興を図り、川崎の持続的な発展を図ります。
4月には、『ミューザ川崎シンフォニーホール』が再開します。リニューアル・オープン・コンサートを皮切りに、今年は『フェスタ・サマーミューザ』や『モントルー・ジャズ・フェスティバル』をミューザをメイン会場に開催し、『音楽のまち』を一層推進します。
また、武蔵小杉駅隣接の『新中原図書館』、東海道川崎宿の資料を展示する『東海道かわさき宿交流館』をオープンし、川崎の魅力をさらに高めます」
−中原区の今年の重点的な取り組みについてもお伺いいたします。
「中原区は、武蔵小杉駅周辺を中心に再開発が進み、4月には新中原図書館の開館も予定しています。再開発の進展に伴い、活気づくまちの姿を広く発信し、魅力あるまちづくりに取り組みます。
また、新しい区民が地域につながりを持てるよう、スポーツ・文化資源を活用した地域交流を進めるとともに、コミュニティづくりに対する支援を強化していきます。
さらに、子育てサロンの充実など子育て支援策や東日本大震災を踏まえた地域防災の取組も進め、安全で安心に暮らせるまちづくりを目指します」
−阿部市政が誕生して12年目の年ともなります。これまでの総括と最後に今年一年の抱負をお聞かせ下さい。
「市長就任当時は、財政が危機的状況でしたが、行財政改革を最重要課題に位置づけ、持続可能な財政基盤の確立に取り組んできました。その結果、改革の効果を小中学校の冷房化、小児医療費の拡充等に還元できるまでになりました。
まだ、保育所民営化、ごみ収集焼却体制の見直し、上水道のダウンサイジングによる上下水道事業改革等の課題がありますので、改革をしっかりと進めていきます。
特に、普通ごみ収集は、9月から週2回とし、資源物収集の拡充や効率的な業務執行に加え、ごみ減量化により、焼却場の機能更新に順次取り組みます。
来年は市制90年を迎えますが、これを見据え、富士見公園の長方形競技場の整備、『等々力陸上競技場のメインスタンド』改築等、スポーツのまちづくりを進めていきます。
今後とも、『川崎の新たな飛躍』に向け、全力を傾注していきますので、皆様のご協力をお願いします」
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5月3日
4月26日