今年10月、開学25周年を迎えた「かわさき市民アカデミー」。受講生の自主運営により受講料を抑えながらも、一流の学者や研究者を講師に迎え、専門性の高い学習の場を提供してきた。来月、周年講演会が開催される。
かわさき市民アカデミーは市民の生涯学習と社会参加意欲に応えるため、1993年に開学。当初は川崎市生涯学習財団によって運営されていたが、財政状況が厳しくなったことを受け、受講料で経費をまかなう「市民による自主運営」を目指し、2007年4月に「NPO法人かわさき市民アカデミー」を設立。
アカデミーの特徴の一つとして挙げられるのが受講生有志らによる「世話人」制度だ。受講生自らが講師との打ち合わせや、講義の資料・機材等の準備をボランティアで行っている。その数は約300人。これにより運営費を抑えて他の社会人向け講座と比べて受講料を3分の1に抑えつつ、質の高い講師を呼ぶことができている。
元NHKプロデューサーの林勝彦さん、ジャーナリストの鳥越俊太郎さんらが講師を務める「映像・メディア」講座や、東京工業大学名誉教授で科学技術振興機構顧問の相澤益男さんらが講師を務める「新しい科学の世界」講座が人気だ。
現在の受講登録者数は年間延べ7千人(複数受講含む)。年間約100以上の講座を開講している。受講者の中心は60〜70代のシニア層が多く、講座やワークショップを通じて、交流の場にもなっている。
理事長の藤嶋昭さんは「全国的に見てもこの規模、クオリティで運営している市民大学は少ない。川崎市の人口は150万人を超えた。今後会場を増やし、若い方の参加も促していきたい。また、地域の大学や企業との連携も強化したい」と話す。
12月15日、記念講演会
市民アカデミー25周年記念講演会「森林からみる持続可能な社会」が12月15日(土)、午後2時から川崎市生涯学習プラザで開催される。同学長で東京大学名誉教授の太田猛彦さんが講師を務める。参加無料。申込みの詳細はNPO法人かわさき市民アカデミー【電話】044・733・5590。締切は11月30日(金)まで。
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