中原区で放置自転車対策に取り組んできた市民団体「自転車と共生するまちづくり委員会」が3月末をもって、18年間の活動に幕を閉じた。ボランティアで自転車のマナー順守を呼びかけ続けた同会。区からは、活動場所の武蔵小杉駅や新丸子駅周辺で放置自転車を大幅に減少させた功績が認められた。
同会が発足したのは2002年。当時、駅周辺や路上には放置自転車があふれ、緊急車両の通行の妨げになることもあり地域の課題だった。区によると、ピーク時には区内で年間2万台以上の放置自転車が撤去対象となっていた。自転車マナー向上のため、行政と地域住民約20人で同会を結成。駅周辺での呼びかけ活動や区内イベントでの啓発パンフレットの配布、保育園児らとの交通安全パレードなどを通して駐輪場の活用と自転車マナーの順守を呼びかけた。09年からは区内の放置自転車の現状や新しい駐輪場を紹介する広報誌を発行し、全24号にわたり啓発。武蔵小杉駅周辺の再開発が進み駐輪場が整備されたことも後押しとなり、19年には放置自転車は6千台にまで減少した。20年の区民アンケートでも、最も評価された区の業務として放置自転車対策が挙げられ、永山実幸区長は「皆様の熱意と地道な活動のおかげ」と謝辞を述べた。
活動を振り返り、川連昌久委員長(83)=人物風土記で紹介=は「成果が認められてうれしい。他のエリアにも取り組みを広げられたらもっと良かった」とし、発足から関わる刀根雅洋さん(78)は「自転車利用者の多くは商店街の買い物客なので、商店主として葛藤もあった。声を掛け合い気持ちよくマナーを守ることが大切」とコメント。今野幸信さん(83)は「今後もより良い自転車利用のあり方を考えたい」としている。
今後の放置自転車対策について区道路公園センターの担当者は「新たな啓発活動を始める予定は現時点ではないが、引き続き見回りや声掛けを続けていく」と話す。
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