市立中原小学校(八幡博子校長)は6月11日、校内への不審者侵入を想定した全校一斉防犯訓練を実施した。中原警察署協力での全校をあげた不審者対応訓練は区内初という。8日で20年となった大阪府・附属池田小学校の児童殺傷事件を風化させないことを全校で誓った。
訓練の目的は、教員が児童の安全確保を実践し、児童にとっても教員の指示通りに動く必要性を学ぶこと。中原署の署員が不審者に扮し、授業中に1階昇降口から校内に侵入したことを想定。近くの教室に居合わせた教員がクラスの児童らに退避行動を促すと、児童らは教室の入口に机を寄せてバリケードを作り、中央で円になって身を寄せ合った。教員は大声で別のクラスにも伝達。職員室から暗号を用いて校内放送をした後、教頭が110番通報と市教育委員会への連絡も行った。児童の退避行動が完了したクラスから順次教員が駆け付け、不審者を校長室まで誘導した。
「風化させないで」
訓練後は中原署の署員が全児童に向けて防犯講話を実施。「先生の話を聞く」「静かに待つ」「自分の命を守る 仲間の命を守る」の3点をポイントに上げた。八幡校長も「20年前の事件を風化させないように。本気で訓練することが大切です」と呼びかけた。
昇降口近くの5年2組の児童らは、「何が起きるんだろうと怖かった」「怖くて声を上げてしまったけど、騒いでいる子がいるクラスは狙われやすいと知って本当に起こったら気を付けようと思う」などと話した。
同校ではこれまで、訓練は教員のみで実施してきた。初めて児童とともに訓練し、八幡校長は「児童の迅速な安全確保が重要になるので、教員だけの訓練とは課題の見え方が全然違った。中原署員の皆さんの力を借りて改善したい」とコメント。不審者侵入時の学校の対応について、担当署員は「不審者を捕まえることより、児童から引き離すことが何より大切。今後も訓練に協力していきたい」と話した。
中原区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|