4月1日付で中原消防署長に就任した 大友 正人さん 新丸子東在勤 54歳
裏方歩むも「思い」強く
○…かつて勤務した中原消防署に、5年ぶりに戻ってきた。街に懐かしさを感じつつも、武蔵小杉駅周辺の大きく変わった様子に身を引き締める。148人の職員を前に、「基本に忠実に、日々を明るく楽しく、コスト意識とスピード感を大切にしたい」と訓示。区民に向けては「普段の生活の中でいかに消防に対する意識を持ってもらえるかを考えていきたい」と思いを注ぐ。
○…今も忘れられない火災がある。1995年に埼玉で起きた大型倉庫の大規模火災。スプリンクラーを完備していたが全焼し、署員の犠牲者も出た。「予防のために法律を守っていても、想定を超えることがある」。30年間のキャリアのうち、消防署よりも事務を担う消防局勤務が長い。「火災予防の啓発や建物への立ち入り検査など、後方支援的な役目」。あの火災から犠牲者を出してはいけないと強く意識し、法令は最低限でそれ以上に何ができるかを考えるようになった。
○…川崎区出身。中高とバレーボールに打ち込み、法政二高時代は後に全日本代表になる同期がいるなど強豪だった。「3年間モップ係みたいなもの」と笑うが、3年のときにベンチ入りし、全国の舞台も経験した。一時増えた体重は食事と「家トレ」で管理し、制服は今でも入庁時と同じサイズを維持する。家族は妻と二人の息子。気分転換を兼ねキッチンに立ち、料理の腕もふるう。「ローストビーフは評判がいい」と照れる。
○…コロナ禍でイベント等が開けず、区民への消防意識の周知が目下の課題。「消防活動の現場での華やかな実績はないが、火災をなくしたい思いは人一倍強い。地域のスポーツチームなどと連携しながら消防署の活動を強くPRしていきたい」と意欲を燃やす。
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5月3日
4月26日