「かわさき市民アカデミー」の理事長に就任した 太田 猛彦さん 今井南町在勤 80歳
研究者魂、深く、広く
○…経済や歴史など53の講座を開設する「かわさき市民アカデミー」の理事長に6月1日付で就任した。「前任者が進めた誰もが気軽に学べる場を守りながら、新しい時代にふさわしいアカデミーをつくり上げていく」と意気込む。オンラインを併用することで、今まで講座に参加できなかった人や若者も気軽に受講できるようになった。市民に限定せず全国から参加を募り、「川崎から学びの場を発信することで、市のイメージアップにもつながる」
○…専門は自然科学で、山地の土砂災害について研究する第一人者。わかりやすい説明に定評があり、解説者としても引っ張りだこだ。「自然災害が発生すると、夜中でもテレビ局から電話で呼び出される」。昨年の熱海市の土石流災害を踏まえて法案化された盛土規制法に関しては、2月の国会の審議の場で専門家の立場から山の斜面に土を廃棄することの危険性を進言した。
○…3歳の頃に終戦を迎え、幼少期は父と一緒に近所を探索した。自然が好きな子ども時代を過ごし、大学で学びを深めた。在学中に父を亡くし、休学して働き、卒業したのは29歳のとき。それでも「人生は何があるかわからないから面白い」と前を向いてきた。現在は東大の名誉教授や、森を守るための世界的な保護活動「FSC森林認証制度」の日本の代表も兼務する。
○…川崎への通勤は20年以上、妻と暮らすさいたま市の自宅から電車で通う。「埼玉と川崎は同じ武蔵の国としてつながりもある。川崎は第二の故郷以上の存在だよ」と笑う。今、一番力を入れるアカデミーの活動。「魅力的な講師陣と講座をそろえ、学習を通じて生きがいや地域社会への積極的な参加を呼び掛けていきたい」
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5月3日
4月26日