東日本大震災による津波の被害は、海に面する鎌倉市として他人事ではない。市では、津波対策の早急な見直しをはじめ、震災後の教訓から防災無線などによる「情報提供」、観光客などのいわゆる「滞留客」対策の見直しを迫られている。
3月11日以降、東電が実施した計画停電の周知のため、市は定期的に防災無線で情報提供を行った。それを受け、市民からは「放送が聞こえない」などの苦情や意見が多数寄せられたという。
また、当日は停電等の影響で観光客の多くが帰宅困難となり、鎌倉や大船などの駅周辺の小中学校をはじめ、開放された各公共施設には計約5千人が避難、一夜を明かした。その5千人の内、約9割が観光客で、大津波警報が発令されたにもかかわらず、市民の多くは避難していない実態も明らかになった。
総合防災課では「防災無線などの市民への情報提供の方法、また、観光客をはじめとした滞留客の対策が大きな課題」と話す。
さらに、津波対策も早急な見直しが必要となっている。市は現在、相模湾を震源域としたM8クラスの地震による津波想定の「ハザードマップ」(2009年7月)を、市役所や各支所で配付している。このマップは、県の調査をもとにしたもので、今回の「想定外」の津波を受け市は、相模湾に面する横須賀市から湯河原町までの12市町とともに3月下旬、県に津波規模想定の再検証を求めている。
震災から1カ月半となるが、総合防災課への問合せは、発生前の10倍ほどになっているという。市民からは「自宅の標高を知りたい」という問合せも多数寄せられている。
昨年4月に市役所第3分庁舎に整備された「災害対策本部室」には、震災直後に対策本部が設置、情報収集などの拠点として「フル稼働」(同課)したという。併設のコールセンターも24時間体制で職員が入り、市民の問い合せに対応した。
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