「3・11」以降、被災地への支援を続けている団体がある。鎌倉市民有志を中心とした「鎌倉とどけ隊」だ。宮城県石巻市を中心に活動し、常に変化している被災地の現状や被災者からの「生のニーズ」を、現地を訪れることで素早く拾い上げ、行動に移してきた。東日本大震災から約半年。今は経済的に復興できるよう「自立支援」を視野に商店の再開や、海産物の販路拡大に力を注ぐ。
「あの日の惨状を前に、何かせずにはいられなかった」。そう話すのは「鎌倉とどけ隊」の代表を務める森下真司さん。
森下さんは、震災直後の3月、宮城県に炊き出しに訪れた。そこで出会ったのが現地の支援活動グループ「仙台とどけ隊」。
彼らは避難所に集まった支援物資を、混乱が続くなかで自治体の支援が行き渡りにくい、孤立気味の小規模避難所へと届けていた。
その中で聞いた「今、本当に欲しい物資は食料や衣類のほかにもある」という声に鎌倉でも応えようと、同月「災害復興交流団体・鎌倉とどけ隊」を結成し、仙台とどけ隊と連携体制を築いた。
鎌倉からの提供物資はツイッターやフェイスブックなどインターネットも通じて次々と集められ、「とどけ隊」の人数も150人ほどにふくれあがった。
「被災地の人たちとの心のつながりを大切したい」と活動場所は石巻市の北上町が中心。炊き出しから始まった支援も、今では、人と人との交流を目的としたイベント「浜人祭」を開催したり、地元の人たちの憩いの場で、同地区に唯一だった居酒屋の再建に力を注ぐなど、多岐に渡る活動を行っている。
「ストップ ザ 無関心」
震災前はボランティア経験のなかった森下さんだが、被災地を訪れ「実際に起こった事を見て、知ることが自分たちの住む街にとっても最大の防災対策になる」ことを実感。また「支援活動を始めて鎌倉でも仲間や友人がたくさん増えた。人のつながりが強まることは、いつ起こるかわからない鎌倉での災害時にも必ず役に立つ」と力強く語る。
「すでに20回ほど石巻市へ行った。顔見知りも増えたし、漁師さんが魚やお酒をふるまってくれたり、今では行くのが楽しみですよ」と話す森下さん。今後も継続性を持って同市を訪れ、被災者の需要に応えるための復興を、物質面だけでなく多視点からサポートする。
その一つに「自立」がある。「被災された皆さんが、経済的にも立ち直ってこそ復興」と考える「とどけ隊」では、現在、同市での三陸産ワカメの復興プロジェクトに協力。これは1口1万円で、北上町の「ブランドワカメ」漁業再開を支援(船や資・機材など養殖の準備資金)するというもの。ワカメが収穫されたら、支援の賛同者へもワカメが届けられる予定だ。
詳細は「鎌倉とどけ隊」のホームページhttp://kama
kuratodoketai.jimdo.com/で確認できる。そのほか、「とどけ隊」では、現地活動への参加者や活動費の寄付も受付けている。
問【電話】0467(25)1414・カフェ&バー「麻心(まごころ)」まで(月曜休)。
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