神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
鎌倉版 公開:2011年9月2日 エリアトップへ

これからは「自立支援」 「鎌倉とどけ隊」被災地つぶさに見て継続的に活動

社会

公開:2011年9月2日

  • X
  • LINE
  • hatena
「とどけ隊」の森下代表
「とどけ隊」の森下代表

 「3・11」以降、被災地への支援を続けている団体がある。鎌倉市民有志を中心とした「鎌倉とどけ隊」だ。宮城県石巻市を中心に活動し、常に変化している被災地の現状や被災者からの「生のニーズ」を、現地を訪れることで素早く拾い上げ、行動に移してきた。東日本大震災から約半年。今は経済的に復興できるよう「自立支援」を視野に商店の再開や、海産物の販路拡大に力を注ぐ。

 「あの日の惨状を前に、何かせずにはいられなかった」。そう話すのは「鎌倉とどけ隊」の代表を務める森下真司さん。

 森下さんは、震災直後の3月、宮城県に炊き出しに訪れた。そこで出会ったのが現地の支援活動グループ「仙台とどけ隊」。

 彼らは避難所に集まった支援物資を、混乱が続くなかで自治体の支援が行き渡りにくい、孤立気味の小規模避難所へと届けていた。

 その中で聞いた「今、本当に欲しい物資は食料や衣類のほかにもある」という声に鎌倉でも応えようと、同月「災害復興交流団体・鎌倉とどけ隊」を結成し、仙台とどけ隊と連携体制を築いた。

 鎌倉からの提供物資はツイッターやフェイスブックなどインターネットも通じて次々と集められ、「とどけ隊」の人数も150人ほどにふくれあがった。

 「被災地の人たちとの心のつながりを大切したい」と活動場所は石巻市の北上町が中心。炊き出しから始まった支援も、今では、人と人との交流を目的としたイベント「浜人祭」を開催したり、地元の人たちの憩いの場で、同地区に唯一だった居酒屋の再建に力を注ぐなど、多岐に渡る活動を行っている。

「ストップ ザ 無関心」

 震災前はボランティア経験のなかった森下さんだが、被災地を訪れ「実際に起こった事を見て、知ることが自分たちの住む街にとっても最大の防災対策になる」ことを実感。また「支援活動を始めて鎌倉でも仲間や友人がたくさん増えた。人のつながりが強まることは、いつ起こるかわからない鎌倉での災害時にも必ず役に立つ」と力強く語る。

 「すでに20回ほど石巻市へ行った。顔見知りも増えたし、漁師さんが魚やお酒をふるまってくれたり、今では行くのが楽しみですよ」と話す森下さん。今後も継続性を持って同市を訪れ、被災者の需要に応えるための復興を、物質面だけでなく多視点からサポートする。

 その一つに「自立」がある。「被災された皆さんが、経済的にも立ち直ってこそ復興」と考える「とどけ隊」では、現在、同市での三陸産ワカメの復興プロジェクトに協力。これは1口1万円で、北上町の「ブランドワカメ」漁業再開を支援(船や資・機材など養殖の準備資金)するというもの。ワカメが収穫されたら、支援の賛同者へもワカメが届けられる予定だ。

 詳細は「鎌倉とどけ隊」のホームページhttp://kama

kuratodoketai.jimdo.com/で確認できる。そのほか、「とどけ隊」では、現地活動への参加者や活動費の寄付も受付けている。

 問【電話】0467(25)1414・カフェ&バー「麻心(まごころ)」まで(月曜休)。
 

宮城県石巻市での「浜人祭」
宮城県石巻市での「浜人祭」

鎌倉版のトップニュース最新6

官民連携で孤独、孤立対策

「つながり」創出へ仕掛け

官民連携で孤独、孤立対策

プラットフォーム創設

4月12日

深沢高、最後の入学式

深沢高、最後の入学式

3年後に藤沢清流と統合

4月12日

「ケアラー支援条例」施行

鎌倉市

「ケアラー支援条例」施行

学校の相談員増や啓発も

4月5日

「鳩スタ」台に移転へ

「鳩スタ」台に移転へ

教習所跡 12月開業見込む

4月5日

ペット避難の指針策定

鎌倉市

ペット避難の指針策定

受け入れ条件や備え示す

3月29日

市内初、EV路線バス発車

市内初、EV路線バス発車

江ノ電が2台運行へ

3月29日

あっとほーむデスク

  • 4月22日0:00更新

  • 8月20日0:00更新

  • 7月16日0:00更新

鎌倉版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

鎌倉版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月17日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook