今回、国として鎌倉を推薦することが了承されたことによって、最短で2013年の登録が見込まれる。推薦内定に松尾崇市長は「大変うれしく思う。更に身を引き締めて作業に取り組みたい」とコメントしている。
鎌倉は「武家の古都・鎌倉」をコンセプトに侍が政治を行ったという特色と、武士の精神性に焦点をあて、登録を目指している。
「古都鎌倉の寺院・神社ほか」が国の世界遺産登録に向けた暫定リストに入ったのは92年。鎌倉市を始め逗子市や横浜市、神奈川県の4県市で登録に向けて取り組んできた。
鎌倉市は04年に世界遺産登録推進担当を部署として位置づけ、推薦書案の制作を行ってきた。現在はユネスコへの提出に向けて英訳を進めている。
06年には市民で構成される「鎌倉世界遺産登録推進協議会」を設立。市民向けに会報の発行や講習会を行うなど、世界遺産登録に向けた啓発活動をしており、現在80を超える団体が名を連ねる。
08年から09年にかけて国際的な評価を確認するため、海外から専門家を招いてシンポジウムを4回開催し、内2回は市民も参加しての国際フォーラムとなり、延べ約600人が参加したという。
市は世界遺産登録を見込んでの観光整備も行っており、市の中心部に駐車場が少ないことから、七里ガ浜などの駐車場と江ノ電やバスを用いると割引になる「パーク&ライド」の整備を進めている。また、観光情報を集約するガイドセンターとして御成小学校の旧講堂を利用する方向で検討するなど、事後の準備も進めている。
推進協議会広報担当の内海恒雄さんは「後世に残すための登録。責任の重さを自覚しなくては」と推薦内定を評価する。
市推進担当は「本格的な決定が下されるまで、粛々と準備を進めていきたい」と話していた。
文化庁で今月1日、世界遺産登録に関する委員会が開かれ、「鎌倉」と「富士山」を国としてユネスコ世界遺産委員会に推薦することが了承された。今後、関係省庁連絡会議などを経て、正式な決定となる。1992年の暫定リスト入りから、20年経ての推薦獲得となり、世界遺産登録に向け大きな一歩となる。
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