「武家の古都・鎌倉」が先月22日、ユネスコ世界遺産センターに推薦されることが正式に決まった。市世界遺産登録推進担当は、文化庁と協働して進めていた推薦書(暫定版)を先月末にユネスコに提出、年内を目途に正式版をまとめる予定。また、市広報課は、世界遺産の価値や意義を周知する手段として今年12月から来年3月まで、ラジオ番組(県全域を対象)で情報発信を行うなど、広報活動にも力を入れる。
これまで市は、世界遺産登録に向けた広報活動として、2008年の市内自治町内会における説明会をはじめ、市役所や支所、県庁や県の出先機関などでのパンフレット配布、市広報誌での記事掲載、ケーブルテレビでの特集番組などに取り組んできた。
また、06年に発足した市民が主体の「登録推進協議会(松尾崇会長)」が、定期的に専門家による講演会や学習会、シンポジウムを開催するなど、世界遺産の啓発事業を行っている。
今回のユネスコへの推薦正式決定を受け、市広報課は10代から30代の県民をターゲットに「武家の古都・鎌倉」や鎌倉の魅力を発信するため、ラジオ番組を放送する計画。現在、番組の企画制作を行うラジオ局などの事業者を募集中だ(10月20日(木)まで)。
その他、周知活動の一環として市推進担当では、鎌倉駅構内での横断幕掲示なども検討しているという。
外国語のウェブサイト「できるだけ早く」
一方、インターネットにおける情報発信は課題の一つ。現状、公式な鎌倉の世界遺産登録に関するウェブサイトは3つあり(市推進担当ページ・登録推進協議会・湘南工科大制作のサイト)、市民からは分かりにくいという指摘もある。また、英語など外国語に対応したものがなく、市推進担当では「できるだけ早く4ヵ国語(日・英・中・韓)に対応したページを用意したい」と話す。時期については、予算がかかる事業のため未定だという。
登録後を見据えた取り組みとして、ガイドセンターの役割や出土品陳列の施設に、御成小学校旧講堂の活用を検討。観光客増も予想され、その対策としてゴミ箱や看板の充実化、渋滞対策など、市を挙げての対応が必要となりそうだ。
また、「武家の古都・鎌倉」の構成資産の一つ「名越切通」で2009年に落書きが発見されたが、これら史跡の維持管理をどうするかも、課題となっている。
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