12月第一土曜日の「保育の日」にちなみ、市内19の認可保育所で入園前の子どもや保護者による「交流会」が行われた。現在、市内の待機児童数は11月1日現在90人で、5年前と比較しても大幅な減少は見られていない。地域別では大船、玉縄、鎌倉で増加傾向にあるという。待機児童の現状について市保育課に聞いた。
市保育課によると、11月1日現在の市内待機児童数は90人。昨年11月の125人と比較すると約3割減少するものの、過去5年間では増減を繰り返しており、大幅な減少は見られない。
昨年同期比で減少した要因について、同課では市内保育園の定員増や、認定こども園・アワーキッズ大船(市内大船)が開所したことによる受入数の増加をあげる。「今後も定員の見直しを行い、受入数を増やしていく」と話す。
大船・玉縄・鎌倉では増加
地域別では大船、玉縄、鎌倉は入園の申し込み数が増加傾向にあり、それに伴う待機児童増加の対策が急務とされてきた。
今年度、大船はアワーキッズの開所により若干減少する一方、鎌倉ではピヨピヨ保育園の移転(由比ガ浜から常盤へ)などから、昨年度よりも増加傾向にある。比較的待機児童が少ないのは腰越と深沢で、特に深沢では4歳から6歳児の受け入れには余裕のある園もあるという。
子育て世代で構成される市民団体「鎌倉子育てガイド」の入江麻理子代表は「確かに受入数自体は増えているが、地域間の差が大きい」と問題点を指摘。大船と玉縄地域はマンションや集合住宅の建設、企業や病院の移転などの影響で、子育て世代の転入が著しく多い地域だという。にもかかわらず、同地域では岩瀬保育園植木分園(市内植木)が2013年度以降に閉鎖または移転予定となっており、待機児童の増加が懸念される。
この状況に対し、同課は「みどり幼稚園(市内岡本)が幼稚園と保育園の機能を兼ね備えた『こども園』になることで、ある程度は補える」と見通しを立てている。他にも地域の中で子どもを預けるファミリーサポートの制度をより専門的にした「保育ママ」を来年3月までに設置予定。現在講習受講者の募集を行っている。同課ではこの保育ママが新たな保育サービスとして役立てば、と期待する。
また、非保育世帯向けの保育園の一時保育制度も、3ヵ月前に予約が埋まるなど急な対応に弱い。入江さんは「働く女性のためにも、子育てで孤立させないためにも、今の時代にあった保育サービスを整えてもらえれば」と話す。
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