腰越漁業協同組合(池田利男代表理事組合長)の倉庫に先月、約縦2m、横6mの落書き被害があったことを受け11月8日、「キープ鎌倉クリーン推進会議」(KKC)代表の高田晶子さん(76)ら3人が、壁を塗る作業を行った。市によると、昨年度の腰越地区での落書き件数は、一昨年度の74件を大幅に上回る259件で、市内全体でも417件から679件に増加した。
落書きは赤や銀のスプレーと見られる塗料で「ROCU」と倉庫裏の壁面に書かれていた。11月8日に現場に集まった高田さんら3人が、ローラーやはけを用いて落書きに水性塗料を上塗りした。
この落書きが発見されたのは10月の中頃。同海岸の擁壁やその周辺には、それまでにも執拗に落書きをされていたが「今回ほど大きなものは初めてでは」と作業に加わった腰越在住の渡辺昌一郎さん(51)は話す。
かつては同組合の池田代表理事組合長が夜に見回りをしていたこともあったが、ここ数年は体力的な負担が大きくできていない状況だという。池田さんによると、過去に漁船の登録番号に上塗りされたこともあったと言い、その時は漁に使っている船ではなかったため大事には至らなかった。池田さんは「今回は倉庫だったが船に書かれたら商売にならなくなる。犯人を見つけたらただじゃおかない」と憤る。
「落書き=犯罪」意識向上が課題
KKCは1999年に発足。市内を中心に落書き消しやごみ清掃などの活動を行っている。04年12月の「鎌倉市落書き防止条例」の制定にも尽力。09年から市環境保全課との協働事業として、市内地区別落書き件数を月次報告している。
高田さんは「市内の落書きは極めて少数の常習犯によってなされている」とし、とりわけその大半は「LEO」なる人物によるものだという。「犯人は『タギング』というサインを持っている。LEOはいくつものタギングを使い分け、複数人での犯行を装っている」と高田さんは分析。「落書きは、いたずら程度の認識で、犯罪行為という意識が弱い」とし、市民への問題意識の向上を呼びかける。
市環境保全課では、条例をもとに、落書きをされた対象物件の所有者に対し、消去するなどの措置を取るよう勧告しており、また市は今年3月、県の市長会を通じて落書き防止に関する県条例制定の要望を行っている。
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