市内二階堂のそば店「手打そば 宮前」が県優良小売店舗に選ばれ、11月27日に県庁で表彰された。今年度表彰されたのは35店舗で、鎌倉市では同店のみ。味やサービスに加え、職人の多くが定年退職後に第二の人生として活躍している点も評価された。
これは県が県内の中小小売業と飲食店を営む店舗の中から、サービスや味・技が自慢の店舗を「優良小売店舗」として表彰しているもの。38回目となる今年は35店舗が選ばれた。
市内で唯一表彰されたのは「手打そば 宮前」。店長の古屋嘉廣さん(70)がそばの道に進んだのは10年ほど前のこと。知人が横須賀で営むそば店が店を畳むことを聞き、「それなら自分が継ごう」と一念発起したのがきっかけだった。
市内の電機メーカーでコンピューターエンジニアとしてキャリアを積み、5期20年は市議会議員も務めた古屋さん。「そば打ちはおろか包丁すらほとんど持ったことがなかった」という。知人の店で働きながら修業を続け「お客様に出せるそばが打てるようになるまで1年以上かかった」と振り返る。
その後、知人から店を継ぎ、横須賀で店を営んでいたが次第に「地元鎌倉で店を構えたい」と思うように。知人からも「やりたいなら早い方が良い」とアドバイスを受け、横須賀の店を閉めて6年前、二階堂に店をオープンさせた。「宮前」という店名は鎌倉宮のすぐ近くであることから決めた。
全て「手打ち」にこだわり、粉は栃木県の農家から直接仕入れている。人気メニューはぶっかけそばとかも汁そばで、リピーターも多くなってきたという。
また、5人いる同店の職人のほとんどが元会社員で、「第二の人生」の活躍の場となっていることも評価された。
古屋さんは「仲間と一緒に作り上げてきた味と店舗。一生懸命やってきたことが評価されてうれしい。自分自身はあと2、3年で引退かな、と思っている。今年、そばに興味を持った息子が一緒に働き始めたので、これから新しく生まれ変わっていってほしい」と話した。
鎌倉版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|