鎌倉市はこのほど、「ふるさと納税」をした人に地域の特産品を贈ることを決め、7月21日にはホームページ上で寄付額に応じた「返礼品」の紹介をスタートさせた。豪華な返礼品を呼び水に税収を上回る寄付を受ける自治体が話題になるなか、市としても寄付額の増加を狙いたい考えだ。
各地で豪華返礼品
2008年4月から始まったふるさと納税制度。自分の故郷や、好きな自治体へ寄付した場合に所得税と個人住民税から寄付金額の一部が控除される。
さらに、今年度から制度が拡充。個人住民所得割額の控除上限額が1割から2割に引き上げられ、条件を満たせば確定申告をせずに控除できるよう納税手続きが簡素化された。
こうした税制上のメリットに加え、各自治体が寄付をした人に肉や野菜、魚介類など地域の特産品を「返礼品」として贈る取り組みが活発化。なかには1年間の税収を上回る寄付を受ける自治体も現れている。
約150万円の”赤字”
鎌倉市では制度が始まった08年以来、「返礼品」を用意してこなかった。しかし13年度、鎌倉市民が他の自治体等に寄付した金額は約9614万円に上り、そのうち住民税など、鎌倉市に入るはずだった控除額は約1200万円だった。一方、鎌倉市が寄付を受けた金額は約1064万円で、約150万円の「赤字」になっていた。
今後も「税収流出」が予想されることなどから、市は返礼品の導入を決定。今年5月から事業者の公募を実施し、7月21日に市ホームページで返礼品の紹介を始めた。
今回用意されたのは鎌倉彫の器や海産物のセット、ローストビーフなど65種類。寄付額に応じて選択することができる。
今年度の寄付申し出件数は8月10日時点で75件、293万8千円。そのうち市内からは2件にとどまり、ほとんどが市外からだった。県内から16件、東京都から17件と首都圏からが多いが、大阪府から6件、愛知県からも5件あるなど、遠方からの寄付もあった。
市経営企画課は「”赤字”を埋めるためというわけではないが、寄付額の増加と鎌倉のPRに繋がれば」と返礼品効果に期待を込める。
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