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鎌倉版 公開:2015年10月16日 エリアトップへ

鎌倉市議会 休会1カ月、20日再開へ 「期限切れワクチン」などで空転

社会

公開:2015年10月16日

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 鎌倉市議会で異例の休会状態が続いている。議員の質問により、市が市医師会に委託している予防接種事業で、白紙請求書が使用されていた問題や、有効期限切れワクチンの接種が見落とされていたことが明らかになり、市の確認作業が続いているため。10月20日に約1カ月ぶりに再開される予定だが、白紙請求書は全庁的に使われていたことが判明しており、議員による市の事務執行の状況や組織の体質についての追求が続きそうだ。

 問題が明らかになったのは9月7日、中澤克之議員(無所属)の一般質問において。中澤議員は市が市医師会に委託している子ども向けの予防接種事業(BCG、2種混合、日本脳炎など)について「本来、医師が記入し医師会が取りまとめるべき請求書を、市が白紙で提出させ職員が記入している事例がある」と指摘した。

 これに対し市は「医師会との事業全般において、20年以上前から不適切な取り扱いがあった」と事実を認めた。

 さらに同事業において、有効期限切れのワクチンが投与されていたケースが複数あることが発覚。2010年から14年までの5年間に行われた約14万7千件について確認したところ、10件が判明した(上表)。健康被害等は確認されていないという。

 これを受けて中澤議員は、市に対し、高齢者向けのインフルエンザ予防接種についても、期限切れワクチンの投与がなかったか、調査を求めている。同事業は過去5年で約11万件に及び、接種後の体調に関する聞き取り調査にも時間がかかることなどから、市議会は9月17日、10月19日までの休会を決めた。

 松尾崇市長は10月1日に行われた定例会見でこれらの問題について「不適切な事務処理が長年続いてきたことを反省している。期限切れワクチンの接種は、事前にチェックできず大変申し訳ない。庁内組織を設置し、不適切な事務処理の改善に全庁を挙げて取り組み、市民の信頼回復に努めていく」と謝罪した。

白紙請求書全庁で使用

 予防接種事業において白紙請求書が使用されてきた理由として、書類に誤りが見つかった場合、医師に返送し改めて記入してもらうなどの「手間」を省き、事務作業を円滑に進めたいという市、医師会双方の思惑があったと見られる。市健康福祉部は「信頼関係に基づいて進めてきたが、今後は改善したい」とする。

 ただ白紙請求書について、問題は全庁的な広がりを見せている。市は健康福祉部以外の部・課でも白紙請求書が使用されていたことを議員に報告しており、その数は過去5年間にのべ1164事業に上るという。

 中澤議員は「公文書の偽造などに当たる可能性もある。市の組織としての問題点と責任の所在を追求していく」としている。

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