鎌倉市が「日本遺産」の認定に向けた準備を進めている。同制度は文化庁が今年から始めたもので、地域に点在する文化財や史跡を共通の「ストーリー」でパッケージ化し、観光振興や地域活性化に活かそうという取り組み。市担当課では「認定を受けることで、国内外への情報発信を活発にし、より質の高い観光を実現したい」としている。
「日本遺産」は、地域の歴史的経緯や伝承、風習などを基にした「ストーリー」を文化庁が認定するもの。
寺社仏閣や遺跡、伝統芸能などを個々に指定・保護していた従来の文化財行政を見直し、点在する遺産を「面」ととらえて活用し、地域活性化、観光振興を促進するのが狙いだ。
認定を受けると専用のロゴマークをパンフレット等に使用できるほか、情報発信や人材育成に関する事業に対して、補助を受けることも可能になる。
今年4月に群馬県・桐生市などの「かかあ天下」、福岡県・太宰府市の「古代日本の『西の都』」など18件が認定された。同庁では2020年までに100件程度を目指すとしている。
市歴史まちづくり推進担当は申請を決めた理由について「寺社など魅力的な歴史資産が多くある一方で、地域が一体となったPRなどには課題があった。認定を受けることで、情報発信を強化し、鎌倉を訪れる人の満足度をより高めていきたい」と話す。
今後は来年1月末までに申請書を提出、順調に行けば、同年4月上旬に認定されるという。ストーリーの策定については現在急ピッチで進めており「認定には斬新性も必要となる。従来の神社仏閣や武士の歴史に加えて、近代の別荘文化や鎌倉文士の活動なども視野に検討したい」としている。
また世界遺産登録の再挑戦との関連については「直接つながるものではないが、マイナスになることはない」とした。
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