高徳院(市内長谷)の「鎌倉大仏」(国宝銅造阿弥陀如来坐像)で1月13日から、半世紀ぶりの保存修理が始まった。改修期間の3月10日(木)までは足場や屋根が設置されるため、大仏像の拝観ができなくなる。一方、地元の大仏通り商店会は「知らずに訪れる人のために」と大仏像の歴史を振り返る写真展を同院回廊で開催。商店会の関係者は「この機会に昔の大仏の姿を楽しんでほしい」と話している。
高徳院の鎌倉大仏は1252年に青銅で鋳造されたもの。これまでも定期的に改修が行われており、1959年から61年にかけての「昭和の大修理」では、強化プラスチックを使用した首回りの補強や地震対策が施された。
前回から50年以上が経過していることから、同院では改修を決定。3月10日までの間に像の表面や胎内の清掃が行われ、金属の痛みや腐食の状態のほか、酸性雨の影響といった気象環境などについて調査される。期間中、大仏像の拝観はできなくなるが高徳院の参拝は可能で、拝観料が無料となる。
改修工事に先立ち、1月11日には法要が行われ、工事関係者ら15人が参列。佐藤孝雄住職の読経のもと、安全が祈願された。
古今の写真展示
改修工事に合わせ地元の大仏通り商店会(中島照美会長)は大仏をテーマにした写真展を開催している。
これは「知らずに訪れた人にも大仏を感じてもらいたい」と同商店会が企画したもの。佐藤住職の協力のもと、大仏像近くの回廊を展示スペースに設定。同会会員や鎌倉市中央図書館近代資料室から提供された37枚が4枚のパネルにまとめられ、展示されている。
写真は幕末から昭和30年代のもので、関東大震災時や江戸時代の大仏殿の様子も知ることができる。中島会長は「自分たちも知らなかった昔の大仏の姿を見て新鮮な気持ちがする。本物は見られないが是非足を運んでほしい」と話している。
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