市中央図書館が1950年代から70年代までの鎌倉と現在とを比較する写真展を開催する。その多くを撮影したのが1人のアマチュアカメラマン。これまで日の目を見なかった戦後の記録が時代を超えてよみがえる。主催者は「鎌倉の変遷が一目でわかる。多くの人に見てもらえれば」と話す。
今昔写真展「鎌倉を見つめた写真家たち―鈴木正一郎28年間の記録を中心に―安田三郎・皆吉邦雄の3人展」が2月17日(水)から22日(月)まで、鎌倉生涯学習センター地下の市民ギャラリーで開催される。午前9時30分から午後5時(最終日は正午)まで。入場無料。
今回展示される写真の多くは鈴木正一郎さん(1924〜86)が撮影したもの。鈴木さんは会社勤めのかたわら、「全日本写真連盟」に所属。57年から84年にかけて、住まいのある都内からほぼ毎週、仲間と鎌倉に通い続けた。
レンズを向けたのは、やぐらや切通のほか宅地開発される現場から市井の人々の生活まで様々。それぞれに撮影場所と日付が記されており、「資料的価値は高い」と図書館関係者は語る。
また、同時代に鎌倉国宝館の嘱託カメラマンを務めた安田三郎さんや、山ノ内で写真館を営みながら鎌倉を撮った皆吉邦雄さんによる写真も展示される。
「後世のために」
今回展示されるのは2012年、鈴木さんの遺族から寄贈されたネガフィルムとプリント約2万8千点から選ばれたもの。鈴木さんは生前、写真を地区別に57冊のファイルにまとめており、それぞれ1ページ目に「のちの世のために少しでも役立つことを願って撮り続けた鎌倉の記録です」といったメッセージを残した。
そんな想いを引き継ぎ、今回の展示開催に尽力したのが定年まで写真関係の仕事をしていた島村國治さん(山ノ内在住・72)。島村さんはその専門知識を活かし、膨大な資料整理のほか、写真のデジタル保存などに協力。また、展示会場で「今昔」を比較できるよう先人たちと同じアングルでの撮影も行った。
市中央図書館近代史資料室の平田恵美さんは「多くの方の協力で開催にこぎつけた。鈴木さんの想いを実現するためにも、多くの人に見てほしい」と話した。
問い合わせは同館【電話】0467・25・2611へ。
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