間もなく始まる鎌倉まつりの一環として、源頼朝ゆかりの地・静岡県伊豆の国市の「子ども創作能」が4月16日に鎌倉宮で上演される。同舞台には、寺分在住の水本あや芽さん(9)も出演。一年にわたって同市の子どもたちとともに練習を重ねてきた水本さんは「初めて地元の友達に見てもらえるので、楽しんでもらえるように頑張りたい」と意気込みを語る。
昨年、鎌倉宮での子ども創作能の舞台を初めて見たという水本さんは、「舞や着物が格好よく見えた」と能の世界に一気に引き込まれた。演目の中で源頼朝役の児童が放った矢が水本さんの目の前に落ちたときには「運命を感じた」といい、終演後すぐに「自分もあそこに立ちたい」と決意していたと振り返る。
水本さんの気持ちを知った母親の貴子さんが伊豆の国市の観光協会にメールをしたところ、指導にあたる観世流シテ方能楽師・八田達弥さんからすぐに「一緒にやりませんか」と返信がきた。
水本さんは昨年5月に初めて現地の練習に参加。以来伊豆の国市には月1〜2回のペースで通っている。もともと日本舞踊の経験があったが「一人ではなく皆で作品を作り上げるのが面白い」と地謡や舞を覚えるのに没頭。どんどん能に夢中になっていった。
「能の格好よさ知って」
子ども創作能は伊豆の国市能友の会が主催するもの。同市在住の幼稚園から高校1年生までが在籍し、「伊豆の頼朝」というオリジナル演目を各地で上演している。
源頼朝に関係する14市町からなる「源頼朝観光推進協議会」が発足したことをきっかけに、2012年から鎌倉まつりでも作品を披露するようになった。鎌倉から参加する児童は、水本さんが初めてとなる。
配役は公演ごとに変更されるが、「自分の役に責任を持って演じること」という八田さんの教えのもと、子どもたち自身が自分の実力にあった役を選んでいる。
これまでに4回の本番を経験した水本さんだが、初めてセリフのある役についたのは昨年11月。その時に演じた北条時政について、「ロープを投げて人を捕まえるのが格好良かったから選んだ。初めての役でとても緊張したけれど、やっぱり舞台に立つのは楽しい」と笑顔を見せる。
地元鎌倉で初披露となる今回は頼朝の敵となる山木兼隆役に挑戦。「苦手な側転をしっかり出来るようにしてやり遂げたい」と真剣な表情で話す。
将来の夢は「お笑い芸人かフラガール。ミス鎌倉にもなりたい」という水本さんだが、目下の目標は「もっと上手くなって、6年生のお姉さんみたいに『伊豆の頼朝』の政子を演じること」ときっぱり。「鎌倉の人にも、能の格好よさを感じてもらいたい」と朗らかに語った。
公演は鎌倉宮拝殿で4月16日(土)午後2時から。雨天決行。観覧無料。問合せは【携帯電話】090・6002・2618八田さんへ。
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