市内山ノ内の古民家「明月荘」が火災で焼失してから約1年が経過した。県と協働で敷地の整備や施設の修復に取り組んでいたNPO団体は、昨年9月に活動を終了。県は建物の再建は行わず、緑地として整備していく方針を固めている。
明月荘で火災が発生したのは、昨年3月22日の早朝。約2時間後に火は消し止められたものの、母屋246平方メートルと茶室16平方メートルが全焼した。その後の調査でも、出火原因は明らかになっていないという。
明月荘は1947年に実業家、石橋又義の邸宅として建設された。敷地は山林部分も含めると1万4千平方メートルに及ぶ。10年ほど石橋が居住した後、売却され、69年に同地にマンション建設計画が持ち上がった。地域住民らによる反対運動を受けて、71年に県開発公社が敷地を購入。80年からは市が社会教育施設として借り上げ、サークル活動などを行う施設として市民に親しまれてきた。
しかし老朽化と財政難から2010年7月に閉鎖。13年4月以降は県とNPO団体が協働で建物の修復や敷地の整備を進めていた。
焼失した建物再建せず
県横須賀三浦地域県政総合センター環境部によれば、焼失した建物の再建などは行わず、敷地は今後緑地として整備する方針という。NPO団体は「継続が困難」として昨年9月に活動を終了し、これまでの経緯をまとめた報告書を県に提出した。
緑地整備へ向けて昨年度は焼け落ちた瓦礫を撤去。今年度は残った基礎部分の撤去を目指す。同部では「他の県有緑地と同様に、地域住民と協働で整備する仕組み作りを進めていきたい」と話している。
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